iPadで通話はできるのか?基本仕様と前提
iPadは一般的にスマートフォンとは異なり、通話機能(携帯電話回線による音声通話)は標準搭載されていません。しかし、iPadにはWi-Fiまたはセルラーモデル(SIMカード対応)を通じて、インターネット経由で音声・ビデオ通話を行う手段が複数用意されています。
本記事では、iPadで利用できる通話手段として、Apple純正サービスや主要アプリ、さらにiPhoneとの連携機能について事実に基づいて解説します。
iPad単体で可能な通話手段
iPad単体でも、インターネット接続があれば以下の通話手段が利用可能です。
1. FaceTime(音声・ビデオ通話)
- 対象:Apple IDを持つiOS/iPadOS/macOSユーザー
- 対応形式:音声通話(FaceTime Audio)およびビデオ通話
- 必要条件:Apple IDとWi-Fiまたはモバイルデータ通信環境
FaceTimeはApple純正の通話アプリで、iPad同士・iPhone・Macなどと無料で通話可能です。電話番号ではなくApple IDメールアドレスを使用します。
2. LINE通話・ZoomなどのVoIPアプリ
- 対象アプリ:LINE、Skype、Zoom、Google Meet、Messengerなど
- 対応形式:音声通話・ビデオ通話
- 必要条件:アカウント登録およびインターネット接続
これらのアプリをインストールすれば、iPadでもスマートフォンと同様に通話・ビデオ会議が可能です。特にLINE通話はスマホとの連携が容易なため、iPadでも利用者が多い傾向にあります。
iPadでの通話にSIMカードは必要か?
iPadにはWi-FiモデルとWi-Fi + Cellularモデル(SIMスロット搭載)が存在しますが、SIMカードが通話に直接必要というわけではありません。
- Wi-Fiモデル:インターネット接続があればVoIP通話は可能
- セルラーモデル:モバイルデータ通信が可能。通話機能付きSIM(音声通話SIM)を入れても標準電話アプリは使用不可
つまり、iPadは「通話SIMを入れても、通常の電話番号での音声通話はできない」仕様です。通話はあくまでアプリを経由するIPベースの方式(VoIP)となります。
iPhoneと連携してiPadで通話する方法
iPhoneを所有している場合、iPadをiPhoneの通話端末として使用することが可能です。これを実現するのが「iPhoneモバイル通話」という機能です。
設定手順(両デバイスが同じApple IDでサインインしている必要あり)
- iPhoneで「設定」→「電話」→「ほかのデバイスでの通話」をオンにする
- 通話を許可するデバイス(iPadなど)をオンに設定
- iPad側でも「FaceTime」設定で「iPhoneから通話を受ける」をオンにする
これにより、iPadでiPhoneに着信した通話を受けたり、iPadから発信したりすることが可能になります。
前提条件:
- iPhoneとiPadが同一Wi-Fiネットワークに接続されている
- 両デバイスが同じApple IDでサインインしている
iPadの通話用途における注意点
iPadで通話を行う際には、いくつかの注意点があります。
- 通話料:アプリを使用した通話は基本的に無料(モバイルデータ通信料は発生)
- 緊急電話:110や119などの緊急電話はiPadではかけられない
- 音質と遅延:回線状態により通話品質に差が出る場合がある
- マイク・スピーカーの性能:ビデオ通話用途では外部マイク・イヤホンの併用が推奨される場面もある
特にセルラーモデルを使っていても「通話SIM=電話できる」わけではない点には注意が必要です。
iPadで通話するのに向いている場面
iPadでの通話は以下のような場面で特に活用されています。
- ビデオ会議やリモート授業(Zoom・Teams・Google Meet)
- 家族や知人との無料通話(LINE・FaceTime)
- iPhoneが手元にないときの代替受話端末
- 自宅内の固定デバイスとしての使用
画面が大きいため、iPhoneよりもビデオ通話に適しているという利点もあります。
まとめ:iPadは通話アプリやiPhone連携で音声通話が可能
iPadは標準の電話回線による音声通話は非対応ですが、FaceTimeやLINE、iPhoneとの連携を利用することで、通話機能を十分に活用できます。用途や環境に応じて最適な方法を選ぶことで、iPadでも通話端末としての活用が可能です。
特にiPhoneユーザーであれば、Apple ID連携によって「iPadで電話を受ける」「iPadで発信する」といった使い方が実現でき、利便性が高まります。



