Apple Watchのトランシーバー機能とは
Apple Watchのトランシーバー機能とは、Apple純正の「Walkie-Talkie(トランシーバー)」アプリを利用し、Apple Watch同士で音声をリアルタイムに送受信できる機能です。iPhoneを使わずに、手元のApple Watchだけで相手と交互に会話ができる通信手段として提供されています。
この機能はwatchOS 5.3以降で提供され、FaceTime Audioを利用したVoIP(音声通話)通信によって実現されています。
利用条件と対応デバイス
トランシーバー機能を使うには、以下の条件を満たす必要があります。
- Apple Watch Series 1以降(watchOS 5.3以降を搭載)
- ペアリングされているiPhoneにiOS 12.4以降がインストールされていること
- FaceTimeアプリが有効であり、Apple IDでサインインしていること
- 通信可能な環境(Wi-Fi、モバイル通信、またはiPhone経由)にあること
なお、FaceTime Audioに対応していない国や地域、または保護者による制限(スクリーンタイム)などが設定されている場合、機能が利用できないことがあります。
トランシーバーの初期設定手順
トランシーバー機能を使うには、最初にペアリングされたiPhoneやApple Watch上で設定が必要です。
- Apple Watch上の「トランシーバー」アプリを開く
- 「+」アイコンをタップして連絡先を追加
- 追加された相手に「承認リクエスト」が送信される
- 相手が承認すると、トランシーバー通信が可能になる
相手もApple Watchを持ち、トランシーバー機能を有効化している必要があります。また、連絡先がFaceTimeに登録されている必要があります。
トランシーバー機能の使い方
連絡先が承認されると、トランシーバー機能を使ってリアルタイムで音声のやりとりが可能になります。
- Apple Watchの「トランシーバー」アプリを開く
- 通信したい相手を選ぶ
- 画面中央の「話す」ボタンをタップして押し続けながら話す
- 話し終えたら指を離すと、音声が相手に送信される
この方式は「半二重通信」と呼ばれ、双方向同時通話ではなく、一方が話し、一方が聞く形式になります。会話が交互に行われる点が、通常の電話との違いです。
音量・通知・ステータスの調整方法
トランシーバーの音量や通知方法は、以下の手順で調整可能です。
- デジタルクラウンで音量を調整可能
- 「設定」→「通知」からトランシーバー通知をオン/オフ切替
- 「設定」→「トランシーバー」から利用可否をオン/オフ切替
「利用不可」に設定すると、一時的に着信拒否状態になります。これにより、会議中や就寝中に通話が入ることを防げます。
通信できない場合の対処法
トランシーバー機能が利用できない場合、次のような原因が考えられます。
- FaceTimeがiPhoneで無効になっている
- インターネット接続がない(Wi-Fiやモバイル通信)
- 相手のApple Watchがオフライン
- iPhoneのスクリーンタイムによってFaceTimeが制限されている
- Apple WatchがwatchOS 5.3未満
対処法としては、iPhoneの「設定」→「FaceTime」でアクティベート状態を確認し、Apple IDで正しくサインインしているかを確認してください。また、通信環境が整っているかも必ずチェックする必要があります。
使える場面と利便性
Apple Watchのトランシーバーは、以下のようなシーンで効果的に活用できます。
- ショッピングモールやテーマパークなどでの家族や友人との連絡
- 職場や倉庫内での簡易連絡
- 作業中に電話をかけずに済む簡易音声連絡
電話アプリと違い、素早く一言二言のやり取りができるため、長時間の通話を必要としない状況で特に便利です。
トランシーバー機能の安全性とプライバシー
Appleの公式仕様によると、トランシーバー機能の通信はFaceTime Audioを利用しており、エンドツーエンドで暗号化されています。通信内容はAppleのサーバーに保存されず、すべてリアルタイムで処理されます。
また、トランシーバー機能は事前に承認した連絡先とのみ通信可能なため、第三者との誤接続が起きることは基本的にありません。
まとめ:Apple Watchのトランシーバー機能は簡易連絡に最適
Apple Watchのトランシーバーは、手元からすぐに音声で連絡できる利便性の高い機能です。設定も簡単で、使用も直感的であるため、ビジネスや日常のあらゆる場面で活躍します。
ただし、使用にはインターネット接続とFaceTimeの設定が必要であり、条件を満たさないと動作しません。利用前に要件を確認し、設定を整えておくことで、スムーズなコミュニケーションが可能になります。

