iPadに「ヘルスケア」アプリは標準搭載されているか
iPhoneには標準で「ヘルスケア(Health)」アプリが搭載されていますが、2025年6月時点でiPadには「ヘルスケア」アプリは標準インストールされていません。また、App Storeを通じて後からインストールすることもできません。これはAppleがヘルスケア関連データの収集・表示を基本的にiPhoneとApple Watchに限定している設計思想によるものです。
そのため、iPad単体では「ヘルスケア」アプリに記録されている歩数、心拍数、睡眠、体温などの情報を直接閲覧・操作することはできません。
iPhoneとの連携:iCloud経由の間接的な利用
iPhoneで収集されたヘルスケアデータはiCloud経由でバックアップされており、同じApple IDでサインインしたiPadでも一部の健康情報を閲覧可能にするアプリは存在します。ただし、これらは純正アプリではなく、外部製アプリが提供するダッシュボードや分析機能に限られます。
以下はiPadでも使えるサードパーティ製アプリの例です:
- QS Access:ヘルスケアデータをCSV形式で表示・共有
- HealthView:iPhoneと同期し、iPadで詳細グラフを確認
- HealthFit:Apple WatchのアクティビティログをiPadでも閲覧可能
ただし、これらのアプリでもリアルタイム同期には対応しておらず、iPhoneからの定期的なデータ送信が必要です。
iPadで健康関連アプリを使う方法
iPadには「ヘルスケア」アプリがない一方で、健康管理をサポートするサードパーティアプリは多数存在します。代表的なカテゴリは以下の通りです。
1. 食事・栄養管理
- あすけん:食事記録と栄養分析をiPadの大画面で確認しやすい
- MyFitnessPal:カロリーとマクロ栄養素の記録・分析
2. フィットネス・運動記録
- Nike Training Club:ワークアウト動画やプログラム管理に対応
- Fitbod:筋トレメニューの提案と記録が可能
3. 瞑想・睡眠改善
- Calm:瞑想や睡眠導入の音声ガイドを提供
- Sleep Cycle:iPadでは機能制限があるが、睡眠記録の確認は可能
これらのアプリはヘルスケアアプリとは連携しないこともありますが、iPadの大画面や高解像度スピーカーを活かして、健康管理を補完する役割を果たします。
iPadでの医療・介護用途でのヘルスケア活用
iPadは病院や介護施設など、業務用途での健康情報の管理や記録にも活用されています。以下のようなアプリやサービスが導入されています:
- 電子カルテ閲覧アプリ:病院の内部システムと連携し、医師がベッドサイドで診療情報を確認
- バイタル管理アプリ:看護師が体温・脈拍・血圧などを入力・記録
- 服薬支援アプリ:薬の服用管理と記録、通知機能付き
これらは業務専用に開発されたアプリが多く、一般向けのApp Storeには公開されていないケースもあります。
Apple Watchとの関係性とiPadの制約
Apple Watchはヘルスケアアプリの中核を担うデバイスですが、iPadとは直接ペアリングできません。Apple WatchはiPhoneとの連携が前提の設計になっており、ヘルスケアデータもiPhoneを通じて管理されます。
そのため、iPadをヘルスケアハブとして使用することは現時点では不可能であり、あくまで閲覧や分析をサポートする補助デバイスという位置づけになります。
将来的な展望:iPadのヘルスケア対応はどうなるか
2025年6月時点で、AppleがiPad用のヘルスケアアプリを提供する予定は公式には発表されていません。一部のリークや予測では、将来的にiPad版のHealthアプリがリリースされる可能性があると報じられていますが、Appleからの正式発表は「公表されていない」のが現状です。
現時点では、iPadを健康データの編集・管理端末として使用するには限界がありますが、視認性や操作性の高さを活かしてサポート用途に活用することは十分可能です。
まとめ:iPadはヘルスケアの「補助端末」として活用が現実的
iPadには純正のヘルスケアアプリが存在しないため、iPhoneのように直接健康データを記録・管理する用途には向いていません。ただし、Apple ID連携やサードパーティアプリの活用により、iPadは健康管理の「閲覧・分析端末」として活用できます。
特に健康情報をグラフや表で視覚的に確認したい場合、大画面のiPadは効果的です。今後、AppleがiPadにも純正ヘルスケアアプリを展開するかどうかは「不明」ですが、現時点では補助的役割として十分な利用価値があります。

