iPadのインターネット共有とは何か
iPadの「インターネット共有」とは、iPadにモバイル通信機能(セルラーモデル)が搭載されている場合に、その通信回線を他の端末(iPhoneやノートPCなど)と共有する機能のことです。いわゆる「テザリング」とも呼ばれ、外出先などWi-Fiが使えない場所でも他のデバイスをインターネットに接続できるようになります。
インターネット共有が可能なiPadの条件
1. セルラーモデルであること
インターネット共有は、Wi-FiモデルのiPadでは利用できません。LTEや5Gに対応したSIMカードを挿入し、通信プランに加入しているセルラーモデルが対象です。
2. キャリアの対応状況
テザリング機能は、契約中の携帯キャリアによってはオプション契約が必要な場合や、標準で有効になっている場合があります。具体的な対応状況は各キャリア(例:ドコモ、au、ソフトバンク、楽天モバイル)のWebサイトで確認する必要があります。
iPadでインターネット共有を設定する手順
1. モバイルデータ通信の有効化
まず、「設定」→「モバイルデータ通信」→「モバイルデータ通信」をオンにします。SIMカードが正しく認識されていることを確認してください。
2. インターネット共有の有効化
- 「設定」アプリを開く
- 「インターネット共有」を選択
- 「ほかの人の接続を許可」をオンにする
- Wi-Fiパスワードを確認または変更(任意)
この設定を有効にすると、iPadがWi-Fiルーターのような役割を果たし、他の端末がパスワードを入力して接続できるようになります。
3. 接続方法の選択
インターネット共有は以下の3つの方法で利用できます:
- Wi-Fi:iPadに表示されるSSIDとパスワードを他の端末に入力して接続
- Bluetooth:iPadと他端末をBluetoothペアリング後に接続
- USB:LightningまたはUSB-CケーブルでPCに接続し、自動的にネットワークとして認識
共有設定の確認とトラブル対処
1. テザリングが表示されない場合
SIMカードの設定やキャリアの構成プロファイルが適切でない場合、「インターネット共有」が設定メニューに表示されないことがあります。この場合、iPadを再起動するか、「設定」→「一般」→「情報」を開いてプロファイル更新を促すと解決することがあります。
2. 通信が遅い・接続が不安定
電波状況や通信制限の影響を受ける場合があります。iPadを窓際に移動する、低速通信モードになっていないか確認するなどの対策が必要です。
3. 他の端末が接続できない
接続しようとしている端末側のWi-FiやBluetoothの設定に問題があることもあります。一度、iPad側の「インターネット共有」をオフにしてから再度オンにすることで改善することがあります。
インターネット共有時の通信量と制限
テザリング中に使用される通信量は、通常のモバイル通信と同じく契約中のデータ容量から消費されます。そのため、長時間の動画視聴やアプリのダウンロードをテザリング中に行うと、すぐに上限に達してしまう可能性があります。
また、一部の格安SIMではテザリングに制限がある場合もあります。通信会社によってはインターネット共有機能が使えない、または追加設定が必要な場合があるため、事前に確認が必要です。
Wi-FiモデルのiPadでテザリングを使う方法は?
Wi-FiモデルのiPad自体ではインターネット共有を提供することはできませんが、逆に他のスマートフォン(iPhoneなど)でインターネット共有を有効にして、iPadをWi-Fiで接続することは可能です。このようにして、外出先でもiPadをインターネットに接続する手段として活用できます。
まとめ:iPadのインターネット共有は活用次第で便利な通信手段に
iPadのインターネット共有機能を活用すれば、モバイル通信を他の端末と簡単にシェアできます。設定も比較的簡単で、Wi-Fi・Bluetooth・USBと多様な接続方法が用意されています。ただし、利用にはセルラーモデルであること、キャリアの対応、通信量の管理といった条件を満たす必要があります。
特にテレワークや外出先でのPC作業が多いユーザーにとって、iPadのインターネット共有はサブ回線や予備の通信手段として非常に有効です。通信環境が安定していない状況でも、手軽にネット接続を確保できる手段として検討する価値があります。



