iPadで「テザリングできない」問題とは?
iPadには、他のデバイスにインターネット共有できる「テザリング(パーソナルホットスポット)」機能が搭載されていますが、利用できない・接続できないという事例が報告されています。特にセルラーモデルのiPadにおいて、設定や契約内容が正しくないとテザリング機能が動作しないケースが多くあります。
この記事では、iPadでテザリングができない場合の代表的な原因と対処法を、事実に基づいて網羅的に解説します。
iPadでテザリングができない主な原因
テザリングができない主な原因は、以下のカテゴリに分類されます。
- 機種の仕様:Wi-Fiモデルではテザリング不可
- 通信契約の問題:SIMがテザリング非対応、または通信が無効
- 設定ミス:インターネット共有がオフになっている
- 接続方法の誤り:Wi-Fi、Bluetooth、USBの正しい手順が踏まれていない
- ソフトウェア・プロファイルの不具合:構成プロファイルやiPadOSのバグ
前提条件の確認:テザリングが可能なiPadか
まず、使用しているiPadがテザリングに対応しているか確認しましょう。
- 対応モデル:Wi-Fi + Cellularモデル(セルラーモデル)のみが対象
- Wi-Fiモデル:モバイル通信機能を搭載していないため、テザリングは不可
- SIMカードまたはeSIM:通信契約が有効かつテザリング対応のプランである必要あり
SIMフリー端末に格安SIM(MVNO)を挿している場合、一部ではテザリングが制限されていることもあります。
テザリング設定が無効になっていないか確認
iPadの設定が正しくないと、テザリングは機能しません。以下の手順で設定を確認してください。
- 「設定」→「モバイル通信」→「インターネット共有」へ進む
- 「ほかの人の接続を許可」をオンにする
- 必要に応じてWi-Fiパスワードを設定(8文字以上の英数字)
この項目が表示されない場合、SIMや通信プランがテザリングに非対応の可能性があります。
キャリア設定と通信プランの確認
以下の通信条件もテザリング利用には必要です。
- 通信キャリアのテザリングオプションが有効(特にMVNOの場合)
- iPadOSが最新バージョンに更新されている
- 構成プロファイル(APN設定)が正しくインストールされている
MVNOによっては、独自のプロファイルをインストールする必要があり、間違ったAPN設定が原因で通信はできてもテザリングが機能しない場合があります。
テザリングの接続方法ごとのトラブル対処
テザリングは3つの方法で接続できますが、それぞれに異なる注意点があります。
1. Wi-Fi接続ができない場合
- SSIDが表示されない:インターネット共有がオンになっていない可能性
- パスワードが間違っている:Wi-Fiの設定で再確認
- 接続後ネットに繋がらない:モバイル通信自体が機能していない可能性
2. Bluetooth接続ができない場合
- Bluetoothペアリングが済んでいない
- 接続先デバイスで「インターネット経由」を選択していない
3. USB接続ができない場合
- iTunes(Windows)またはFinder(Mac)がiPadを認識していない
- ケーブルの破損やドライバの不具合
- 「このコンピュータを信頼しますか?」の承認が未実行
テザリングできないときの最終確認ポイント
設定や契約に問題が見当たらない場合、以下の対処を試してください。
- iPadを再起動する
- SIMカードを抜き差しする
- 設定アプリの「リセット」→「ネットワーク設定をリセット」を実行
- 構成プロファイルを削除して再インストール
- 他のデバイスでテザリング接続を試す(端末依存の問題を除外)
これらを行っても改善しない場合は、契約キャリアに直接問い合わせることが確実です。
まとめ:iPadでテザリングができないときは原因の切り分けが重要
iPadでテザリングができない場合は、ハードウェア(Wi-Fiモデルかセルラーモデルか)、SIMの契約状況、iPadOSの設定、プロファイルの正確さなど、多くの要因が関係しています。
特に、MVNOやeSIMを使用しているケースではプロファイルや契約の制限が絡むため、キャリアの公式サポート情報を事前に確認することが重要です。原因を一つずつ検証することで、無用な修理や買い替えを避け、正しくテザリング機能を活用できるようになります。

