iPadをサブモニター化するメリットと概要
iPadをサブモニター化することで、ノートパソコンの画面領域を拡張し、作業効率を向上させることが可能になります。外部ディスプレイを持ち運ばずに、iPadを追加モニターとして活用できるため、出先での作業や在宅ワークにも適しています。
本記事では、iPadをサブモニター化するための代表的な方法を、MacとWindowsの両方の環境に対応して解説します。有線接続と無線接続の違い、使用可能なアプリ、設定手順、注意点についても網羅しています。
MacでiPadをサブモニター化する方法(Sidecar)
MacではApple純正の「Sidecar」機能を使うことで、iPadを追加ディスプレイとして使用できます。追加のアプリは不要で、macOSとiPadOSの標準機能で動作します。
Sidecarの対応条件
- macOS Catalina(10.15)以降
- iPadOS 13以降
- 両方の端末が同じApple IDにログインしていること
- Bluetooth、Wi-Fi、Handoffが有効になっていること
Sidecarの設定手順
- MacとiPadのBluetoothとWi-Fiをオンにする
- iPadとMacが同一Apple IDでサインインしていることを確認
- Macの「システム設定」→「ディスプレイ」→「ディスプレイを追加」からiPadを選択
- iPadがサブディスプレイとして自動認識される
Sidecarは有線(USB-CまたはLightning)接続でも利用可能です。Apple Pencilを用いた操作も可能で、対応アプリでは入力デバイスとして機能します。
WindowsでiPadをサブモニター化する方法
Windows環境では、AppleのSidecarは使用できません。そのため、サードパーティ製のアプリを用いてiPadをサブモニター化する必要があります。代表的なアプリには以下があります。
1. Duet Display
- 開発元:元Appleエンジニアによるアプリ
- 対応OS:Windows 10以降 / iPadOS 13以降
- 接続方式:有線またはWi-Fi(Pro版)
- 価格:iPadアプリは有料(買い切り)、PC側は無料
設定手順:
- iPadにDuet Displayアプリをインストール(App Store)
- PCにDuetの専用ソフトをインストール(公式サイト)
- USBケーブルまたは同一Wi-Fi接続で接続
- 自動的にiPadが拡張ディスプレイとして認識される
2. Splashtop Wired XDisplay
- 対応OS:Windows 7以降 / iPadOS 10以降
- 接続方式:有線(USB接続のみ)
- 価格:iPadアプリは無料版と有料版あり
設定手順:
- iPadにXDisplayアプリをインストール
- PCにXDisplayエージェントをインストール
- USBケーブルで接続し、起動後にミラーリングまたは拡張が開始される
3. Luna Display
- 対応OS:Windows 10以降 / iPadOS 12.1以降
- 接続方式:専用のハードウェアドングル(USB-CまたはHDMI)
- 価格:ドングル購入が必要(公式サイトにて販売)
特徴:
Luna Displayは安定性が高く、Apple Pencilにも対応。プロ向けの利用に適しています。
iPadサブモニター化の用途と活用シーン
iPadをサブモニターとして使うことで、次のような用途に対応できます。
- ブラウザやチャットを常時表示しておく
- 資料を見ながらメインディスプレイで作業
- ZoomやTeamsの会議ウィンドウを別画面に分離
- 音楽・動画のプレイヤー画面を分けて操作
タッチ操作ができることから、直感的なUI操作にも適しています。
iPadをサブモニター化する際の注意点
- 充電: 長時間利用する際は電源に接続しておくことを推奨
- 遅延: 無線接続時にはわずかな遅延が発生する可能性がある
- 解像度: iPadの高解像度が適切にスケーリングされない場合がある
- OSのアップデート: サードパーティアプリが動作しなくなる場合がある
特に業務用途で使う場合は、安定性重視で有線接続を選ぶことが望ましいです。
iPadをメインモニター化することはできる?
iPadをPCの「メインモニター」として単独で使用することは、OSの構造上できません。iPadはあくまで既存PCの拡張ディスプレイとして動作するため、単体ではPC画面の表示・起動には利用できません。
まとめ:iPadを活用して画面拡張の自由度を高めよう
iPadは、MacならSidecar、WindowsならDuet DisplayやXDisplayなどを使うことで、サブモニターとして活用できます。作業領域を広げることで、作業効率が向上し、快適なマルチタスク環境が構築可能です。
用途や接続環境に合わせて最適なアプリと接続方式を選び、iPadの利便性をさらに広げましょう。


