はじめに:MacBookにおける「コンピュータアカウント」とは何か
MacBookを初めてセットアップする際や、macOSの再インストール後などに表示される「コンピュータアカウント」という用語は、多くのユーザーにとって馴染みが薄いかもしれません。この「コンピュータアカウント」は、MacBookにログインして使用する際のユーザーアカウントの一種であり、macOSの基本操作に密接に関係しています。本記事では、「コンピュータアカウント」の定義、作成方法、管理手順、注意点などを事実に基づいて解説します。
コンピュータアカウントとは?
MacBookにおける「コンピュータアカウント」とは、macOSにログインするためのローカルユーザーアカウントのことです。これはApple IDとは異なり、システム上に作成されるアカウントであり、次のような情報を含みます。
- アカウント名(英数字のユーザー名)
- フルネーム(表示名)
- パスワード
- 管理者権限の有無
- ホームフォルダ(個人ファイルの保存場所)
このアカウントによって、ユーザーは自分専用の環境でmacOSを使用でき、他ユーザーの設定やデータとは分離されます。
初回設定時のコンピュータアカウント作成
MacBookを起動して最初にセットアップする際、ウィザード形式で「コンピュータアカウント」の作成が求められます。
- 「フルネーム」を入力(画面に表示される名前)
- 自動生成される「アカウント名」を確認(必要であれば編集)
- ログイン用のパスワードを設定
- パスワードのヒントを入力(任意)
このアカウントはmacOSの管理者として設定され、アプリのインストールやシステム変更などの権限を持つことになります。
既存のMacで新しいコンピュータアカウントを追加する方法
既存のMacBookに新しいユーザーを追加する場合は、以下の手順で行います。
- 「システム設定」→「ユーザとグループ」を開く
- 左下の鍵アイコンをクリックし、管理者パスワードでロックを解除
- 「ユーザを追加」ボタン(+)をクリック
- アカウントの種類(管理者/標準/共有など)を選択
- 名前、アカウント名、パスワードを設定
追加されたユーザーはMacのログイン画面から選択可能となり、それぞれのユーザー環境が分離されて管理されます。
アカウントの種類と違い
macOSでは以下の種類のアカウントが存在します。
- 管理者アカウント: システム設定の変更やアプリのインストールが可能
- 標準アカウント: 通常の操作が可能だが、管理権限は持たない
- 共有アカウント: 一時的な利用向けで、ファイル保存の制限あり
- ゲストユーザ: パスワードなしでログイン可能。ログアウト時にデータは削除
家庭内や職場で複数人が1台のMacBookを使用する場合には、適切なアカウント権限の設定が重要です。
コンピュータアカウントとApple IDの違い
macOSではApple IDとコンピュータアカウントが連携可能ですが、以下の点で明確に異なります。
| 項目 | コンピュータアカウント | Apple ID |
|---|---|---|
| 用途 | macOSへのログイン・設定 | iCloud・App Store・同期 |
| 保存先 | Macのローカルディスク | Appleのクラウドサーバ |
| 設定場所 | ユーザとグループ | Apple IDメニュー |
Apple IDはiCloudバックアップや購入履歴と紐付いており、macOSの基本操作にはコンピュータアカウントが必要です。
アカウント名やパスワードの変更について
「ユーザとグループ」からフルネーム(表示名)の変更は可能ですが、アカウント名(ショートネーム)やホームフォルダ名を変更するには以下の注意が必要です。
- 誤って変更するとログインできなくなる可能性がある
- 変更には別の管理者アカウントが必要
- Apple公式では慎重に行うよう推奨されている
推奨される方法は「Time Machineなどでバックアップを取った上で、慎重に操作する」ことです。
アカウントの削除と再構成
不要になったアカウントは「ユーザとグループ」から削除可能です。削除時には以下の選択肢が提示されます。
- ホームフォルダを削除
- ディスクイメージとして保存
- そのまま残す(ユーザーデータは維持)
削除後にアカウントを復元するには、管理者アカウントまたはTime Machineによる復元が必要です。
まとめ:MacBookのコンピュータアカウントは基本操作の核
MacBookの「コンピュータアカウント」は、macOSの操作、設定、ファイル管理を行う上で中核となる存在です。Apple IDとは異なり、ローカル環境の権限管理やユーザごとの分離を担います。安全かつ効率的な運用のためには、アカウントの作成、権限設定、管理方法を正しく理解しておくことが重要です。

