はじめに
MacBookには、バッテリーの消耗を抑え、より長時間の作業を可能にする「低電力モード(Low Power Mode)」が搭載されています。この機能は、特に外出先で電源が確保できないときや、バッテリー残量を少しでも長持ちさせたいときに有効です。本記事では、macOSにおける低電力モードの概要と、MacBookでの設定方法、効果、および注意点を事実に基づいて解説します。
低電力モードとは
低電力モードは、CPUやディスプレイのパフォーマンスを自動的に制限することで、MacBookの電力消費を抑える機能です。Appleによれば、低電力モードを有効にすると、以下のような動作が行われます:
- CPUクロックの制限
- ディスプレイの輝度調整
- アプリのバックグラウンド処理抑制
このモードは、iPhoneやiPadでも広く使われている概念で、macOSではmacOS Monterey以降に搭載されています。
対応しているMacモデルとmacOSバージョン
macOSで低電力モードを利用できるのは、以下の条件を満たすデバイスです。
- macOS Monterey(12.0)以降を搭載していること
- Appleシリコン(M1、M2、M3シリーズ)または一部のIntel Macが対象
MacBook Pro(2021年以降のモデル)やMacBook Air(M1以降)は、標準で低電力モードを利用できます。
MacBookで低電力モードを有効にする手順
macOS Ventura以降とMonterey以前では、設定手順がやや異なります。
macOS Ventura以降の設定方法
- Appleメニュー()をクリック
- 「システム設定」を選択
- 左側メニューで「バッテリー」を選択
- 「バッテリー使用時」「電源アダプタ使用時」の両方に対して低電力モードの切り替えが可能
- 必要に応じてオンにする
macOS Montereyの設定方法
- 「システム環境設定」>「バッテリー」を開く
- サイドメニューで「バッテリー」または「電源アダプタ」を選択
- 「低電力モード」のチェックボックスをオンにする
低電力モードを使う場面
以下のような状況で、低電力モードは特に効果を発揮します。
- 外出先で電源に接続できない場合
- 長時間のバッテリー駆動が必要な出張や移動中
- ウェブ閲覧や文章作成など、負荷の軽い作業を行っているとき
- バッテリー劣化が進んでおり、持ちを少しでも良くしたいとき
低電力モードの効果と制限
Appleによれば、低電力モードを有効にすることでバッテリー持続時間を延ばすことが可能ですが、同時に一部パフォーマンスが抑制されるという制限もあります。
主な効果
- 電力消費を抑えることで、バッテリー持続時間を延長
- Macの発熱量が抑えられ、ファンの騒音も低減される(ファン搭載モデルのみ)
主な制限
- CPUパフォーマンスの低下により、高負荷作業(動画編集・ゲーム等)が遅くなる
- 一部のアプリのレスポンスが若干低下する可能性あり
- ディスプレイの輝度が自動で暗くなる
以上の特性から、重い作業を行う際にはオフにしておくのが望ましい場合もあります。
ショートカットや自動化について
2025年6月時点で、macOSには低電力モードを有効・無効にする専用ショートカットキーは存在しません。ただし、AppleScriptやショートカットアプリ(macOS Monterey以降で導入)を使って、トリガー式の切り替えを自動化することは可能です。
ショートカットアプリ例(要設定)
- 「ショートカット」アプリを開く
- 「バッテリー設定を変更」などのアクションを組み合わせて自動化可能(要外部ツール連携)
この機能は正式サポート対象外のため、動作保証はAppleから提供されていません。
バッテリー状態と併用すべき設定
低電力モードを利用する際は、以下の設定も併用することでより効果的なバッテリー運用が可能です。
- 「バッテリー状態」>「バッテリーの状態を管理」:有効にしておく
- 「ディスプレイ」>「ディスプレイを自動的に調整」:オンにする
- 「省エネルギー」>「ハードディスクを可能な場合はスリープ」:オンにする
まとめ
MacBookの低電力モードは、macOS Monterey以降のMacで利用できる省電力機能で、外出先や長時間の使用時にバッテリーの持ちを延ばすのに有効です。設定は簡単で、必要に応じてオン・オフを切り替えられるため、作業内容や使用環境に合わせて柔軟に運用することが重要です。パフォーマンスとのバランスを理解したうえで、最適な活用を心がけましょう。