はじめに
Apple Watchにはバッテリー持ちを延ばすための「低電力モード」が搭載されています。これはwatchOS 9から追加された機能で、通常よりも多くの機能を制限しながらも基本的な使い方を維持する省電力機能です。本記事では、Apple Watchの低電力モードの特徴、対応機種、設定手順、制限内容、活用シーンについて事実に基づいて詳しく解説します。
Apple Watchの低電力モードとは?
低電力モードは、Apple Watchのバッテリーが少ないときや長時間の使用が見込まれる場面で、消費電力を抑えるための機能です。従来の「省電力モード(Power Reserve)」とは異なり、時刻表示のみに制限されるのではなく、ある程度の機能を維持したまま運用できます。
対応機種とwatchOSバージョン
低電力モードはwatchOS 9以降で利用可能です。対応機種は以下の通りです。
- Apple Watch Series 4以降
- Apple Watch SE(第1世代・第2世代)
- Apple Watch Ultraシリーズ
初代、Series 1〜3はwatchOS 9に対応していないため、この機能は使用できません。
低電力モードの主な特徴
低電力モードでは以下の機能が自動的に制限されます。
- 常時表示ディスプレイ(対象モデル)
- バックグラウンドの心拍数測定(定期測定)
- 血中酸素濃度の測定
- Wi-Fiおよび携帯通信の一部機能
- Siri(一部制限あり)
- 通知の即時受信(遅延が発生する場合あり)
ただし、ワークアウト記録中には選択的に心拍測定などを維持することができます(別途設定)。
低電力モードの設定方法
Apple Watchから設定する方法
- 画面を下から上にスワイプしてコントロールセンターを開く
- バッテリー残量のパーセンテージをタップ
- 「低電力モード」スイッチをオンにする
- 「1日中オン」「次の充電までオン」などから選択
iPhoneから設定する方法(watchOS 10以降)
- iPhoneの「Watch」アプリを開く
- 「バッテリー」→「低電力モード」を選択
- スケジュール設定やワークアウト時の動作もここから調整可能
低電力モード時のワークアウトについて
Apple Watchは低電力モード中でも「ワークアウト」アプリを使用できます。ただし次のような挙動になります。
- GPSと心拍数センサーは省電力化される
- 必要に応じて、これらの測定をオンにするオプションもあり
- 省電力ワークアウトモードは「設定」→「ワークアウト」→「低電力モード」から個別に調整可能
通常の省電力モード(Power Reserve)との違い
| 項目 | 低電力モード | 省電力モード(旧) |
|---|---|---|
| 表示機能 | アプリ使用可・通知制限あり | 時刻表示のみ |
| 心拍測定 | 一部制限 | 無効 |
| 起動方法 | 手動・設定可能 | 自動(1%以下時) |
| 解除方法 | 設定から手動でオフ | 電源再起動 |
低電力モードの活用シーン
以下のような場面で低電力モードの利用が有効です。
- 長時間の外出や旅行中
- 出先で充電環境がない場合
- バッテリー残量が少ないが、時刻確認や通知は使いたい場合
- マラソンなど長時間のワークアウト時
解除方法
低電力モードは以下の方法で解除可能です。
- Apple Watchのコントロールセンターからバッテリーをタップ
- 低電力モードをオフにする
また、充電器に接続した際に自動的にオフになる設定もあります。
注意点
- 低電力モード中は一部の通知が遅れる場合がある
- iPhoneとの接続に時間がかかることがある
- 一部のアプリはバックグラウンド更新を行わない
- 常時表示が無効になることで操作性に差が出る
まとめ
Apple Watchの低電力モードは、バッテリー持ちを延ばしながら基本的な機能を維持できる実用的な省電力機能です。従来の「省電力モード」とは異なり、ワークアウトや通知などの利用も可能で、より柔軟にバッテリーを管理できます。旅行や長時間のワークアウトなど、シーンに応じて活用すれば、Apple Watchをさらに有効に使うことができるでしょう。


