macOS Big Surでの初期化とは
MacBookを初期化するとは、すべてのデータ・設定・アカウント情報を削除し、macOSを工場出荷時の状態に戻す操作を指します。売却や譲渡前のデータ消去、動作不良時の再構築、クリーンインストールを行う目的で使用されます。
本記事では、macOS Big Sur(11.x)を搭載したMacBookにおける初期化手順を、データバックアップからmacOS再インストールまでの流れに沿って解説します。
初期化前に必ず行うべき準備
初期化を実行する前に、以下の作業を済ませておく必要があります。
1. データのバックアップ
Time Machineや外部ストレージに重要なファイルを保存しておきます。Time Machineの場合は以下の手順でバックアップ可能です:
- 外付けHDDを接続
- 「システム環境設定」→「Time Machine」→「バックアップディスクを選択」
- 自動バックアップまたは手動で開始
2. Apple IDのサインアウト
iCloudのアクティベーションロックを無効にするために、Apple IDからサインアウトします。
- 「システム環境設定」→「Apple ID」→「概要」
- 「サインアウト」をクリック
- 「Macを探す」をオフにし、パスワード入力
3. Bluetoothアクセサリの解除(必要に応じて)
トラックパッドやキーボードなど、Bluetooth接続の周辺機器を使用している場合は、初期化後に再接続が必要になるため、事前に解除しておくとスムーズです。
macOS Big Surの初期化手順
macOS Big Surでは、「macOSユーティリティ」からディスク消去とOSの再インストールを行います。
1. リカバリーモードへ起動
- Intel Macの場合:電源を入れた直後に Command + R を押し続ける
- Appleシリコン(M1以降)の場合:電源ボタンを長押しして「オプション」画面を開き、「macOSユーティリティ」を選択
2. ディスクユーティリティでディスクを消去
- 「macOSユーティリティ」画面で「ディスクユーティリティ」を選択し「続ける」
- 左側から「Macintosh HD」(または任意の名称)を選択
- 「消去」をクリック
- フォーマット形式は「APFS」、方式は「GUIDパーティションマップ」を選択
- 完了後、「ディスクユーティリティ」を終了
3. macOSの再インストール
- 「macOSユーティリティ」画面に戻り、「macOSを再インストール」を選択
- 画面指示に従ってmacOS Big Surの再インストールを実行
- インターネット接続が必要(Wi-Fiまたは有線)
再インストールが完了すると、初期設定画面が表示されます。
macOS Big Surインストール時の注意点
- 再インストールには数十分以上かかる場合がある
- インストール中はMacBookを閉じたり電源を切ったりしない
- バッテリー残量が少ない場合は電源アダプタを接続しておく
初期設定と再利用の準備
macOS Big Surの再インストール完了後は、以下のいずれかの選択が可能です。
- MacBookを自分用に再設定する(言語、Wi-Fi、Apple IDの再ログイン)
- 他人に譲渡する場合は「初期設定画面」のまま終了し、電源を切る
譲渡・売却時は、初期設定を進めずに電源をオフにすることで、次回起動時に新しいユーザーが設定を開始できます。
macOS Big Surのバージョン確認と再インストール条件
リカバリーモードでは、インターネット経由でmacOS Big Surが再インストールされますが、元のバージョンによっては最新バージョンがインストールされる場合があります。
- Command + R:現在のmacOSを再インストール
- Option + Command + R:最新互換macOSをインストール
- Shift + Option + Command + R:出荷時のmacOSに戻す
状況に応じて適切なショートカットを選択してください。
まとめ
macOS Big Surを搭載したMacBookの初期化は、リカバリーモードからディスク消去と再インストールを行う手順が基本となります。Apple IDのサインアウトやバックアップなどの準備を確実に行ったうえで、慎重に作業を進めることが重要です。
特に、Intel MacとAppleシリコンMacで起動方法や操作が異なるため、使用しているモデルに応じて正しい方法を選択してください。
