iPadのピクチャ・イン・ピクチャ機能とは
ピクチャ・イン・ピクチャ(Picture in Picture:PIP)とは、動画やFaceTimeなどのコンテンツを小さなウィンドウとして表示し、他のアプリを操作しながら同時に視聴できるiPadのマルチタスク機能のひとつです。iPadOS 9以降で利用可能で、作業効率の向上やエンタメ利用に活用されています。
対応しているiPadモデルとiPadOS
PIP機能は、以下の条件を満たしたiPadで利用可能です。
- iPadOS 9以降を搭載している
- iPad(第5世代以降)、iPad Air 2以降、iPad mini 4以降、すべてのiPad Proモデルに対応
iPadOS 15以降では、より多くのアプリや操作に対応するようアップデートが行われています。
PIP機能の使い方
PIP機能は、主に動画アプリやFaceTimeなどで利用できます。以下は基本的な使い方です。
1. 動画再生中にホームに戻る
対応アプリで動画を再生中にホーム画面へ戻ると、自動的にPIPモードになります。
2. PIPボタンを使う
一部アプリでは動画プレイヤーにPIPアイコン(四角の中に矢印)が表示され、これをタップすることでPIPを有効化できます。
3. PIPウィンドウの操作
- ドラッグで画面の四隅に移動可能
- ピンチ操作でサイズ変更(3段階)
- 再タップで全画面表示に戻す
- ×ボタンでPIPを終了
対応アプリの例
PIPに対応している代表的なアプリは以下の通りです(2025年6月時点):
- Safari(動画埋め込みサイト)
- Apple TV
- FaceTime
- Netflix
- YouTube(Safari経由で対応。公式アプリはYouTube Premiumが必要)
- Amazon Prime Video
- Zoom
アプリによっては、設定変更や有料プランの加入が必要な場合があります。
ピクチャ・イン・ピクチャが使えない場合の対処法
PIPが動作しない場合は、以下の点を確認してください。
1. iPadOSのバージョン
設定>一般>ソフトウェア・アップデートから最新のiPadOSに更新されているか確認します。
2. アプリの対応状況
アプリによってはPIPに未対応、あるいは機能が制限されていることがあります。公式サポート情報を確認してください。
3. Safari経由で利用する
アプリがPIP非対応でも、Safariで公式サイトにアクセスして動画を再生すればPIPが使える場合があります。
4. 機能がオフになっていないか
設定>一般>マルチタスクとDock>ピクチャ・イン・ピクチャ が有効になっているかを確認してください。
PIPを活用する実用例
PIPは作業効率や娯楽面での利便性を高める機能として活用できます。
- FaceTimeしながらSafariで調べ物
- 動画を流しながらノートアプリでメモ
- 料理中にレシピ動画を再生しながらタイマーを使う
- Zoomで会議しながら資料確認
Split ViewやSlide Overとの違い
PIPは主に動画系ウィンドウに特化したマルチタスク機能です。これに対し:
- Split View: 画面を2分割してアプリを並列使用
- Slide Over: 追加のアプリをフローティング表示
これらと組み合わせて使うことで、iPadのマルチタスク性能を最大限に引き出せます。
まとめ:iPadのPIP機能で効率的なマルチタスクを実現
iPadのピクチャ・イン・ピクチャ機能は、対応アプリを通じて「ながら作業」を実現し、生産性や快適性を高めます。動画視聴や通話をしながら、他のタスクにスムーズに取り組める点は、iPadを日常の作業端末として活用するうえで大きなメリットです。設定やアプリの仕様を理解して、状況に応じた使い方を選びましょう。