Xperiaでの通話録音機能の基本情報
Xperiaシリーズのスマートフォンにおいて、通話内容を録音したいというニーズは一定数存在します。しかし、Xperia端末を含むAndroidスマートフォンでは、OSのバージョンや地域ごとの規制により、通話録音機能の対応状況が異なります。
結論として、2025年7月時点では、Xperiaシリーズにおいて標準で通話録音機能は搭載されていないのが一般的です。GoogleのAndroid OS方針により、Android 9以降ではサードパーティ製アプリによる録音も制限されています。
Android OSによる録音制限の背景
GoogleはAndroid 9(Pie)以降、通話録音に関するAPIを制限し始め、Android 10ではマイク経由の録音も制限されました。さらに、Android 11以降では通話録音専用の「通話アクセス権限」が公式に廃止され、正規の手段で通話内容を録音することが非常に困難になっています。
この制限はプライバシー保護の観点から行われており、日本を含む多くの国では、相手に無断で通話を録音することが法的問題となる場合もあるため、録音機能自体が制限されているケースが多いです。
サードパーティ製アプリによる通話録音
かつては「ACR(Another Call Recorder)」「Cube ACR」などのアプリを使って録音する方法が主流でしたが、現在では以下のような制限があります。
- Android 10以降の端末では正確な通話音声の録音が困難
- 録音できたとしても、相手の音声が記録されないケースが多い
- 「アクセシビリティ機能」を悪用する形で一部録音可能なアプリも存在するが、今後のOSアップデートで使用不可となる可能性がある
Google Playストアでも、通話録音アプリの多くが削除・制限の対象となっています。
Xperiaの機種ごとの対応状況
2025年時点で日本国内向けに販売されているXperia(Xperia 1 V、5 V、10 Vなど)においては、いずれのモデルも通話録音機能は標準搭載されていません。また、設定画面や通話中のUIに録音開始ボタンも表示されません。
一部の海外モデル(中国やインドなど)では、通話録音機能が搭載されていることがありますが、日本国内版(型番末尾がSO-、SOG-など)では非対応となっています。
通話内容を記録する代替手段
どうしても通話内容を記録したい場合、以下のような代替手段があります。
1. スピーカーモードで外部録音
- 通話をスピーカーモードに切り替える
- 別の録音機器(ICレコーダー、PC、別のスマホ)で音声を録音
- 音質や環境音の影響を受けやすいため、静かな環境が推奨
2. メモアプリや録音アプリで手動記録
- 通話後に重要な内容を録音メモとして残す
- Xperia標準の「ボイスレコーダー」アプリなどを使用
なお、これらの方法でも、録音を行う際には必ず通話相手に同意を得ることが推奨されます。
通話録音と法的リスクについて
日本国内においては、通話録音そのものが違法というわけではありませんが、録音された内容を第三者に公開したり、相手の同意なく使用した場合には、プライバシー侵害・名誉毀損・不正競争防止法違反などの法的問題に発展する可能性があります。
そのため、業務用や証拠保全を目的とした録音であっても、相手の同意を得て録音を行うことが望ましいとされています。企業間の通話では、冒頭で「この通話は録音される可能性があります」といったアナウンスが一般的です。
企業・法人向けの録音ソリューション
個人利用とは別に、企業・コールセンター向けには、通話録音が組み込まれた法人向けモバイル回線やPBXサービスが提供されています。
- クラウドPBXサービス(例:MOT/PBX、ひかりクラウドPBXなど)
- 法人契約で提供される録音対応SIMや端末
これらのソリューションでは、法令を遵守した形で録音・保存・管理が可能です。個人ユーザーがXperiaで通話録音を行う場合とは仕様が異なります。
まとめ
Xperiaシリーズでは、2025年現在、日本国内モデルにおいて通話録音機能は標準搭載されておらず、サードパーティ製アプリによる録音もAndroidの仕様変更により困難となっています。
通話録音を行いたい場合は、相手の同意を得た上でスピーカーモードで外部録音するなどの代替手段を検討する必要があります。録音に関する法的リスクを十分に理解し、適切な手段を選択することが重要です。

