iPadのマルチタスク機能とは?
iPadは、iPadOSにより高いマルチタスク性能を備えています。複数のアプリを同時に操作できることで、作業効率が向上し、ビジネス・学習・創作の幅広いシーンで活用されています。マルチタスク機能には「Split View」「Slide Over」「ステージマネージャ」などがあり、モデルやiPadOSのバージョンによって使える機能が異なります。
対応機種と基本要件
マルチタスク機能を使用するには、以下の条件を満たす必要があります。
- iPadOS 15以降:マルチタスク操作のUIが刷新され、ボタン操作が可能に
- Split View・Slide Over対応モデル:iPad(第5世代以降)、iPad Air(第2世代以降)、iPad mini(第4世代以降)、iPad Pro全モデル
- ステージマネージャ対応モデル:iPad Pro(M1チップ以降)、iPad Air(第5世代以降)
Split Viewの使い方
Split Viewでは、2つのアプリを画面に並べて同時に使用できます。
操作手順
- Dockから1つ目のアプリを開く
- 下からDockを表示し、2つ目のアプリを長押しして右または左にドラッグ
- 画面が分割され、アプリが左右に配置される
- 中央のバーを動かすことで画面の比率を調整可能
対応アプリ
Split Viewは、Apple純正アプリおよび一部のサードパーティアプリで対応しています。非対応アプリは分割表示できません。
Slide Overの使い方
Slide Overは、2つ目のアプリを小窓として画面の上に重ねて表示する機能です。メインアプリに重ならないようにサイドに移動させたり、一時的に非表示にすることも可能です。
操作手順
- アプリを開いた状態でDockを表示
- 2つ目のアプリをアイコンからドラッグし、画面の中央に重ねる
- アプリが小窓表示される
Slide Overの制限
Slide Overで表示されるアプリは、一度に1つのみアクティブになります。複数のアプリをSlide Overで切り替える場合は、スワイプで操作します。
ステージマネージャ(Stage Manager)の概要と使い方
ステージマネージャは、ウィンドウを自由に重ねて操作できる機能で、Macのようなデスクトップ操作に近い環境を提供します。M1チップ以降のiPadに限定されており、外部ディスプレイとの併用にも対応しています。
有効化手順
- 「設定」→「ホーム画面とマルチタスク」→「ステージマネージャ」をオン
- コントロールセンターからも切り替え可能
特徴
- 最大4つのアプリを同時に画面上で操作
- ウィンドウの自由なリサイズと移動が可能
- アプリグループごとに切り替えが可能
- 外部モニター上でも独立したウィンドウ管理が可能
マルチタスクに関する注意点
対応アプリに制限がある
すべてのアプリがSplit ViewやSlide Overに対応しているわけではありません。特に古いアプリやゲーム、動画再生に特化したアプリではマルチタスクが制限される場合があります。
キーボードショートカットの活用
外付けキーボードを使用している場合、以下のようなショートカットがマルチタスクに便利です。
- Command + H:ホーム画面に戻る
- Command + Tab:アプリの切り替え
- Globe + ↑:アプリスイッチャーを表示
画面サイズによる制限
画面が小さいモデル(例:iPad mini)では、Split ViewやSlide Overの表示が窮屈になり、作業効率が落ちる可能性があります。より広い画面を活かせるiPad ProやAirモデルの方がマルチタスクに適しています。
外部ディスプレイとの併用
ステージマネージャを搭載したiPadは、外部モニターに接続することで、最大8つのアプリを同時に使用することができます(iPad本体4つ+外部ディスプレイ4つ)。これはUSB-CまたはThunderbolt経由で接続したディスプレイでのみ利用可能です。
まとめ:iPadのマルチタスク機能で作業効率を向上
iPadのマルチタスク機能は、用途に応じてSplit View・Slide Over・ステージマネージャを使い分けることで、作業効率を大きく向上させることが可能です。使用しているiPadのモデルやiPadOSのバージョンによって利用可能な機能が異なるため、まずは自分の環境を確認し、最適なマルチタスク活用を目指しましょう。

