iPadを初期化したいがパスワードを忘れた場合の基本知識
iPadの初期化(出荷時リセット)を行う際には、通常「画面ロックのパスコード」または「Apple IDのパスワード(アクティベーションロック解除用)」が必要です。これらのいずれか、あるいは両方を忘れてしまった場合、通常の手順では初期化できず、Appleのセキュリティ対策により端末の使用が制限されます。本記事では、パスワードを忘れた状態でもiPadを初期化する方法とその注意点を解説します。
初期化に必要な2つのパスワード
iPadの初期化に関わるパスワードは以下の2つです:
- 画面ロックのパスコード:端末にアクセスするための4桁または6桁のコード。
- Apple IDのパスワード:初期化後に求められるアクティベーションロック解除用。
これらのうち1つでも不明な場合、通常の設定メニューからの初期化は不可能になります。
方法1:iTunesまたはFinderでリカバリーモードから初期化
パスコードを忘れてiPadが使用できない場合は、以下の手順でリカバリーモードを利用した初期化が可能です。
準備するもの
- パソコン(MacまたはWindows)
- iTunes(WindowsまたはmacOS Mojave以前)またはFinder(macOS Catalina以降)
- iPadと接続するUSBケーブル
手順
- iPadを完全に電源オフにする
- 機種ごとに決まったボタンを押しながら、USBケーブルでパソコンに接続する
- Face ID搭載モデル:トップボタン+音量ボタンのどちらか
- ホームボタン搭載モデル:ホームボタン
- リカバリーモード画面(PC接続のマーク)が表示されたら指を離す
- iTunesまたはFinderがiPadを検出し、「復元」または「アップデート」を選択する画面が表示される
- 「復元」を選択するとiPadが初期化され、最新のiPadOSがインストールされる
※この方法では画面ロックのパスコードを削除できますが、Apple IDとパスワードによる「アクティベーションロック」は残ります。
方法2:iCloudの「iPhoneを探す」機能でリモート初期化(Apple IDが分かる場合)
Apple IDとパスワードが分かっている場合は、iCloud.comを使ってiPadを遠隔初期化できます。
- 別のデバイスまたはPCから「iCloud.com」にアクセス
- Apple IDでログイン
- 「iPhoneを探す」を開き、対象のiPadを選択
- 「iPadを消去」を選び、初期化を実行
この操作でも初期化はされますが、Apple IDによる再アクティベーションは必要です。
アクティベーションロックとは?
アクティベーションロックは、iPadを紛失・盗難時に第三者が勝手に初期化・使用できないようにするAppleのセキュリティ機能です。iCloudで「iPhoneを探す」がオンになっているiPadでは、初期化後もApple IDとパスワードの入力が求められます。
そのため、Apple IDのパスワードが不明なままでは、リカバリーモードで初期化できても、アクティベーションロックを解除できず、iPadは使用できません。
Apple IDのパスワードを忘れた場合の対処法
Apple IDのパスワードを忘れた場合は、以下の方法でリセットを試みます:
- 「iforgot.apple.com」にアクセス
- Apple ID(メールアドレス)を入力
- 本人確認の手順(SMSコード、認証済みデバイスの確認など)を進める
- 新しいパスワードを設定
本人確認ができない場合、パスワードのリセットはできません。この場合、Apple公式サポートに問い合わせても、本人確認ができなければ解除不可とされています。
注意点と悪用対策について
盗難品や不正取得されたiPadは、たとえ初期化できたとしてもアクティベーションロックで使用できません。そのため、購入時には中古端末が「アクティベーションロック解除済み」であるか、必ず事前に確認する必要があります。Appleでは、正規の証明がない限りアクティベーションロックの解除は行っていません。
まとめ:iPadを初期化したいがパスワードを忘れたら冷静に対処を
iPadの初期化には、画面ロックのパスコードとApple IDのパスワードの両方が関係します。どちらかを忘れてしまっても、リカバリーモードやiCloudを活用することで初期化は可能ですが、アクティベーションロックの解除には必ずApple IDのパスワードが必要です。万が一に備え、Apple IDの管理やパスワードのバックアップは日頃から行っておくことが重要です。



