iPadで電話は可能?基本的な仕組みと制限
iPadにはiPhoneのような音声通話機能(セルラー通話)は標準では搭載されていません。つまり、iPad単体で携帯電話網(音声通話)を利用することはできません。ただし、インターネット接続環境とアプリの活用により、iPadでも電話のような通話が可能になります。
具体的には以下の2通りの方法があります。
- iPhoneと連携して、iPadから通話を行う
- 通話アプリ(FaceTime、LINE、Skypeなど)を使ってインターネット経由で通話
iPadでiPhoneの通話機能を使う方法
Appleの「iPhone Cellular Calls(iPhoneモバイル通話)」機能を利用すれば、iPadから通常の電話番号に発信・応答することが可能です。この機能を使うには、以下の条件を満たす必要があります。
利用条件
- iPhoneとiPadが同じApple IDでサインインしている
- 両方ともWi-Fiに接続されている
- iPhoneで「ほかのデバイスでの通話」が有効になっている
設定手順
- iPhoneで「設定」→「電話」→「ほかのデバイスでの通話」をオン
- iPadで「設定」→「FaceTime」→「iPhoneから通話」をオン
これで、iPadからiPhoneを経由して通話ができるようになります。ただし、iPhoneが電源オン・Wi-Fi接続されている必要があります。
FaceTimeを使った通話
Appleの純正アプリ「FaceTime」は、iPadでも無料で音声・ビデオ通話が可能なアプリです。FaceTimeは携帯電話番号ではなく、Apple IDまたは登録されたメールアドレスを通じて通信します。
特徴
- 音声通話とビデオ通話が選べる
- Appleデバイス同士で利用可能(iPhone、iPad、Mac)
- Wi-Fiまたはモバイルデータ通信が必要
使い方
- iPadの「設定」→「FaceTime」でApple IDにサインイン
- 「連絡先」アプリや「FaceTime」アプリから通話相手を選択
電話番号がなくても、相手のApple IDに紐づいたメールアドレスが分かれば通話できます。
その他の通話アプリ(LINE、Skypeなど)
iPadでは、以下のようなサードパーティ製通話アプリを使うことで、電話代わりに通話することができます。
- LINE:日本での利用者が多く、音声・ビデオ通話ともに対応
- Skype:Microsoft提供の通話アプリで、固定電話・携帯電話への発信(有料)も可能
- Zoom:ビジネス用途に多いが、音声通話にも使用可能
- Messenger:Facebookアカウントで通話できる
これらのアプリはすべてApp Storeからダウンロード可能で、Apple IDによるインストールが必要です。音声品質や通信の安定性は、通信環境(Wi-Fi/4G/5G)に左右されます。
iPadで通話に必要なモデル・通信環境
iPadには「Wi-Fiモデル」と「Wi-Fi + Cellularモデル」があります。音声通話に関しては、どちらのモデルでも上記のアプリ・機能を使えば通話可能です。ただし、外出先で通話をする場合は、モバイルデータ通信が可能な「Cellularモデル」が適しています。
通話アプリは音声だけであれば1分あたり0.3MB〜1MB程度のデータ通信量を消費します。モバイル回線を利用する場合は、データ残量にも注意が必要です。
iPadでできない通話とは?
以下のようなケースでは、iPad単体では対応できません。
- 電話番号を使ったSMSの送受信(ただしiMessageは可能)
- 携帯キャリアの契約に基づく「音声通話サービス」
- 110番や119番などの緊急通報(アプリ経由では非対応)
これらの機能が必要な場合は、iPhoneやスマートフォンとの併用が前提となります。
まとめ:iPadでも通話は可能だが用途に応じた工夫が必要
iPadは標準では音声通話用のSIMや電話番号を持たないため、携帯電話としての役割は果たせません。しかし、iPhoneとの連携やFaceTime、LINEなどの通話アプリを利用することで、音声通話は十分に実現可能です。
通話の頻度や通信環境、通話相手のデバイス環境に応じて、最適な方法を選択することで、iPadでもストレスなく通話を行うことができます。外出先での使用が多い場合は、Cellularモデルと通話対応アプリの組み合わせが最も柔軟です。