Xperia Zとは
Xperia Zは、ソニーモバイルコミュニケーションズが2013年に発売したAndroidスマートフォンで、同社のフラッグシップモデルとして登場しました。ソニーがスマートフォンにおいて初めて本格的な防水・防塵性能(IP55/IP57)を搭載した機種であり、薄型かつ洗練されたガラスデザインが特徴です。Xperiaシリーズにおけるデザインと性能の両立を打ち出した初の本格モデルとして位置づけられています。
発売日と型番
Xperia Zは2013年1月にグローバル市場で発表され、日本ではNTTドコモから「SO-02E」として同年2月に発売されました。国内外で高い注目を集め、以降のXperia Zシリーズの基盤となるモデルとなりました。
主なスペック
項目 | 内容 |
---|---|
OS | Android 4.1(Jelly Bean)出荷時、最終的にAndroid 5.1.1(Lollipop)までアップデート可能 |
プロセッサ | Qualcomm Snapdragon S4 Pro APQ8064(1.5GHz クアッドコア) |
RAM | 2GB |
ストレージ | 16GB、microSDXC(最大64GB)対応 |
ディスプレイ | 5.0インチ フルHD(1920×1080)TFT液晶 |
カメラ(背面) | 約1,310万画素 Exmor RS for mobile、フルHD動画撮影対応 |
カメラ(前面) | 約220万画素 |
バッテリー | 2,330mAh(取り外し不可) |
サイズ | 139 × 71 × 7.9mm |
重量 | 約146g |
防水・防塵 | IP55/IP57準拠 |
主な特徴
- オムニバランスデザイン:前面・背面にガラス素材を使用した対称構造の美しい筐体
- 防水防塵性能:当時としては珍しいIP55/IP57の防水防塵機能を搭載
- HDRビデオ撮影対応:明暗差のあるシーンでも鮮明な映像を記録可能
- バッテリー持続機能:STAMINAモードによる省電力制御
- ワンセグ・おサイフケータイ対応:日本市場向けモデルではローカル機能にも対応
Xperia Zと後継機種との違い
Xperia ZはZ1、Z2、Z3といった後継機種のベースとなったモデルですが、以下のような点で差別化されています。
- Z1以降:カメラセンサーが大型化(Z1は1/2.3型 2,070万画素)
- Z2以降:RAMの増量(3GB)、4K動画撮影対応
- Z3以降:バッテリー容量・オーディオ性能の強化
Zはそれらの原点に位置する機種であり、初のフルHDディスプレイ搭載やIP57準拠の防水を実現した革新的モデルとされています。
ソフトウェアと機能
Xperia Zにはソニー独自のUIと以下のようなソフトウェア機能が搭載されていました。
- WALKMANアプリ(後のMusicアプリ)
- アルバムアプリ(写真・動画管理)
- ムービーアプリ(ビデオプレイヤー)
- ソニー製クラウド連携(PlayMemories Online等)
OSアップデートは最大でAndroid 5.1.1まで提供され、マテリアルデザインへの対応などが追加されました。
通信・接続機能
- LTE(下り最大100Mbps、上り最大50Mbps)
- Wi-Fi(IEEE802.11 a/b/g/n)
- Bluetooth 4.0
- NFC(かざす機能対応)
- USB 2.0(MHL対応)
日本版ではワンセグ、おサイフケータイ、赤外線通信にも対応しており、国内ユーザーのニーズに合わせた設計がなされていました。
現在の利用とサポート状況
Xperia Zは発売から10年以上が経過しており、公式のソフトウェアサポートはすでに終了しています。Google Playのアプリ互換性も限られており、最新のサービスやセキュリティ要件に対応できない状態です。
現在では中古端末として流通していますが、利用にはセキュリティ面の注意が必要です。カスタムROM導入や実験用途に使用されるケースもあります。
まとめ
Xperia Zは、ソニーがスマートフォン市場において本格的にフラッグシップ展開を開始した記念すべきモデルであり、防水・防塵性能や高精細ディスプレイ、独自のデザインなど、多くの先進技術を盛り込んだ端末でした。現在では現役機としての使用は難しいものの、Xperiaの歴史を語る上で欠かせない1台です。