はじめに
MacBookで文字入力を行っている際、予測変換が意図しない単語を提案したり、変換候補が適切でないと感じることがあります。これはmacOSに内蔵された日本語入力システム(ことえりまたは「日本語IM」)の学習データや辞書設定が原因となっている可能性があります。この記事では、MacBookの予測変換が「おかしい」と感じたときに行うべき確認手順と対処方法を、macOS標準の機能に基づいて解説します。
予測変換が「おかしい」とはどういう現象か
予測変換の異常には以下のようなケースがあります:
- 誤った単語が頻繁に候補に表示される
- 過去に入力した誤字が変換候補に現れる
- 学習されていたはずの単語が候補に出ない
- 特定の単語の変換に異常な時間がかかる
これらは、日本語入力システムの「ユーザー辞書」や「学習データ」の蓄積による影響が大きく、設定のリセットやクリアによって改善することがあります。
基本的な対処法:日本語入力の再起動
一時的な不具合であれば、入力ソースの再起動によって改善する場合があります。
- メニューバーの「入力メニュー(例:あ or A)」をクリック
- 別の言語(例:英語)に一度切り替える
- 再度「日本語」に戻す
これにより、入力エンジンがリセットされ、軽度な異常が解消されることがあります。
ユーザー辞書の内容を確認・編集する
macOSではユーザーが自動登録・手動登録した単語が辞書に保存されます。ここに誤った情報が含まれると、予測変換にも影響します。
ユーザー辞書の確認手順
- 「システム設定」>「キーボード」>「入力ソース」を開く
- 「日本語」を選択し、「辞書を編集」をクリック
- 登録された単語の一覧を確認し、不要または誤りのある単語を削除
誤って登録された単語や古い表記が残っていると、変換精度に悪影響を及ぼします。
日本語入力の学習データをリセットする方法
macOSでは日本語入力の「学習結果」が蓄積されるため、これを初期化することで予測変換の精度がリフレッシュされます。
学習辞書のリセット手順
- Finderで「移動」>「フォルダへ移動」を選択
- 以下のパスを入力:
~/Library/Preferences
- ファイル
com.apple.inputmethod.Kotoeri.plist
を探して削除 - Macを再起動
この操作により、ユーザーの日本語入力履歴・学習データがクリアされ、予測変換が初期状態に戻ります。削除前にバックアップを取っておくと安心です。
ライブ変換が原因となるケース
macOSには「ライブ変換」機能があり、入力中に自動で変換を行います。この機能が誤変換の原因となる場合もあります。
ライブ変換の無効化手順
- 「システム設定」>「キーボード」>「入力ソース」>「日本語」
- 「ライブ変換」のチェックをオフにする
ライブ変換を無効にすることで、従来の確定操作ベースの変換方法に戻すことができます。
第三者アプリとの干渉の可能性
クリップボード管理アプリやキーボード拡張ツールなど、サードパーティ製アプリが日本語入力に影響を与えている可能性もあります。以下の点を確認してください。
- 最近インストールしたキーボード関連アプリの有無
- 起動中のアプリを一時終了し、変換の挙動を再確認
macOS標準機能のみで問題が再現しない場合、該当アプリをアンインストールまたは設定を見直すことが推奨されます。
macOSアップデートによる不具合の可能性
macOSの一部バージョンでは、日本語入力に関する既知の不具合が報告されている場合があります。
- macOSのバージョンを確認(「このMacについて」から)
- 「システム設定」>「一般」>「ソフトウェアアップデート」から最新状態かを確認
不具合が修正されたバージョンに更新することで、予測変換の問題が解消される場合があります。
まとめ
MacBookで予測変換の挙動がおかしいと感じた場合は、ユーザー辞書の確認、学習データのリセット、ライブ変換の設定変更などを段階的に試すことが有効です。macOS標準機能内で対応できる範囲は広く、操作も比較的簡単です。再現性が高い問題であれば、Appleサポートへの問い合わせも視野に入れて対応しましょう。