はじめに:MacBookでWindowsを使う理由とは
MacBookはAppleのmacOSを搭載していますが、一部のユーザーは業務ソフトやゲームなどの互換性を理由にWindowsの利用を希望するケースがあります。特に企業利用や特定アプリケーションがWindows専用である場合、macOS環境だけでは不便を感じることもあります。そこで本記事では、MacBookにWindowsをインストールする方法とその際の注意点を解説します。
MacBookでWindowsを使うための主な方法
MacBookでWindowsを利用する方法は大きく分けて以下の3つです:
- Boot Camp(Intel Macのみ)
- 仮想化ソフト(例:Parallels Desktop、VMware Fusion)
- 外部SSDにWindowsをインストール(外部起動)
それぞれの特徴を以下に詳しく紹介します。
Boot Campによるデュアルブート(Intel Mac限定)
Boot CampはAppleが提供する公式ツールで、macOSとWindowsのデュアルブートを可能にします。以下の条件と手順が必要です:
- Intelプロセッサ搭載のMacBookが対象(Apple Silicon搭載モデルでは使用不可)
- Windows 10のISOファイルを事前に用意
- Boot Campアシスタントからパーティション作成とインストールを実行
Boot Campを使用すると、起動時にmacOSとWindowsのどちらを起動するか選択できます。ネイティブ実行のため、Windowsのパフォーマンスは高い反面、再起動が必要で切り替えに時間がかかるのが難点です。
仮想化ソフトを使ったWindowsの利用
Apple Silicon(M1、M2、M3など)搭載のMacBookではBoot Campが使えないため、仮想化ソフトが主な選択肢になります。代表的なソフトは以下の通りです:
- Parallels Desktop:macOS上でWindowsを高速に動作させる。Apple公式での動作確認あり。
- VMware Fusion:業務利用で安定した仮想環境を構築可能。ただしApple Silicon対応は限定的。
Parallels Desktopでは、Windows 11 ARM版をインストールすることで、MシリーズMacでもWindowsが利用可能です。MicrosoftがARM版Windowsのライセンスを公式に提供しており、ParallelsとMicrosoftは正式に連携しています(2023年時点)。
外部ストレージにWindowsをインストールする方法
Mac本体のストレージ容量が少ない場合、外部SSDやUSBドライブにWindowsをインストールする方法もあります。これはWindows To Goまたはその代替手法を用いる方法で、Intel Macでの実行が前提です。Apple Siliconではサポートされていません。
この方法は非公式な手順を含むことが多く、動作保証やセキュリティの観点から推奨されないケースもあります。使用にはリスクを十分に理解する必要があります。
インストールに必要なもの
- WindowsのISOファイル(公式サイトからダウンロード可能)
- Windowsのライセンスキー(正規のプロダクトキーが必要)
- ParallelsやVMwareなどの仮想化ソフト(有料版が多い)
- 空き容量(最低でも64GB以上推奨)
Apple Silicon(M1/M2/M3)での注意点
Apple Silicon搭載モデルではx86アーキテクチャが使えないため、WindowsはARM版を使う必要があります。これにより以下の点に注意が必要です:
- x86版専用アプリは動作しない、もしくはエミュレーションでの動作になる
- 一部の周辺機器ドライバが非対応
- Boot Camp非対応のため、仮想化ソフト一択となる
なお、MicrosoftはARM版Windowsの商用利用に関するライセンスを2023年に正式化しており、Parallelsを通じた利用が正規の方法とされています。
セキュリティとライセンスについて
Windowsをインストールする際は、ライセンスキーの正規購入が必須です。また、macOSとは異なるセキュリティモデルであるため、Windows用のセキュリティソフトの導入も検討する必要があります。
まとめ
MacBookでWindowsを利用することは、業務効率やソフトウェア互換性の面で大きなメリットがあります。特にApple Silicon環境ではParallels Desktopを用いた仮想環境の構築が一般的です。Intel Macをお使いであれば、Boot Campによるデュアルブートも可能です。
導入にはライセンスやシステム要件の確認、パフォーマンスへの理解が必要です。目的と使用環境に合った方法を選び、安全かつ正規の手順でセットアップを進めましょう。


