MacBookでキャッシュをクリアする目的とは?
MacBookを長期間使用していると、動作が重く感じられたり、アプリの不具合が発生したりすることがあります。その原因のひとつが「キャッシュ」です。キャッシュとは、一時的に保存されたデータで、再利用することで処理を高速化する役割を果たします。しかし、不要なキャッシュが蓄積するとストレージを圧迫し、パフォーマンス低下の原因となる場合があります。適切にクリアすることで、システムの安定性や動作の快適性を保つことができます。
クリアできるキャッシュの種類
macOSには複数の種類のキャッシュがあります。それぞれの役割とクリア方法が異なります。
- システムキャッシュ:macOSが動作する上で必要な一時データ
- ユーザーキャッシュ:各ユーザーのアプリや設定に関する一時データ
- ブラウザキャッシュ:SafariやChromeなどのウェブ閲覧履歴や画像
- アプリキャッシュ:個別アプリが内部で使用する一時ファイル
ユーザーキャッシュの削除手順
ユーザーキャッシュは以下の手順で手動削除が可能です。削除は自己責任で行ってください。
- Finderを開く
- 「移動」メニューから「フォルダへ移動」を選択
- 以下のパスを入力:
~/Library/Caches - 表示された各フォルダの中身を削除(フォルダ自体は削除しないこと)
削除後はゴミ箱を空にして完了です。
システムキャッシュのクリア方法
システムキャッシュの削除はより慎重に行う必要があります。手動で削除することも可能ですが、誤って必要なファイルを消すとmacOSの動作に支障をきたす恐れがあります。
推奨される方法は以下の通りです:
- セーフモードで起動する:不要なシステムキャッシュが自動で削除される
- 手動で削除する場合:
/Library/Caches内の中身を選択して削除(知識がある場合のみ推奨)
SafariやChromeのブラウザキャッシュをクリアする方法
Safariの場合
- Safariを起動
- 「Safari」メニュー →「環境設定」→「詳細」タブで「メニューバーに“開発”メニューを表示」にチェック
- メニューバーの「開発」→「キャッシュを空にする」を選択
Chromeの場合
- Chromeを起動
- 右上のメニュー(三点)→「設定」→「プライバシーとセキュリティ」→「閲覧履歴データの削除」
- キャッシュされた画像とファイルにチェックを入れて削除
ターミナルを使ってキャッシュを削除する方法
上級者向けの方法として、ターミナルからキャッシュ削除を行うことも可能です。
ユーザーキャッシュ削除のコマンド例
rm -rf ~/Library/Caches/*
このコマンドは完全に削除するため、実行には十分注意してください。入力ミスがあると重要なファイルを誤って削除する恐れがあります。
セーフモードを活用したキャッシュ削除
macOSをセーフモードで起動すると、自動的にシステムキャッシュの一部が削除されます。手順は以下の通りです。
- Macをシャットダウン
- 電源を入れ直し、すぐに「Shift」キーを押し続ける
- ログイン後、デスクトップが表示されたら通常起動に戻す
Appleシリコン搭載Macでは、電源ボタンを長押しして「オプション」が表示された後、セーフモードを選択します。
キャッシュ削除による影響と注意点
キャッシュを削除することでアプリの動作が初期化され、読み込み時間が若干長くなる場合があります。また、ログイン情報や履歴の一部が失われる可能性もあります。
主な注意点は以下の通りです。
- 削除前にバックアップを取ることを推奨
- 必要なキャッシュまで削除しないように注意
- アプリによっては再ログインが必要になる
定期的なメンテナンスとしてのキャッシュクリア
キャッシュの削除は毎日のように行う必要はありませんが、以下のようなタイミングで行うと効果的です。
- アプリが異常終了することが多いとき
- MacBookの動作が全体的に重く感じるとき
- ストレージ空き容量を確保したいとき
月に1回程度の実施が目安とされていますが、使用状況に応じて調整するのがよいでしょう。
まとめ:MacBookのキャッシュ管理で快適な操作環境を維持
MacBookを長く快適に使うためには、定期的なキャッシュクリアが効果的です。ユーザーキャッシュやブラウザキャッシュは比較的安全に削除でき、動作の軽快さを取り戻す手段になります。
一方、システムキャッシュやターミナルでの操作は慎重に扱う必要があり、知識がない場合はセーフモードや専用アプリの使用を検討するのが無難です。
MacBookの状態を確認しながら、必要に応じてキャッシュを管理し、安定した動作を保ちましょう。



