AirPodsで「相手に声が聞こえにくい」とはどういう状態か?
AirPodsを使った通話中に「相手に声が届きにくい」「音がこもる」「声が小さい」といった現象が発生するケースがあります。これらはAirPodsのマイク性能そのものよりも、接続状態や周囲の環境、マイク設定、またはハードウェアの不具合によって引き起こされることが多いです。
本記事では、AirPodsシリーズにおいて通話時に声が相手に聞こえにくくなる原因を分類し、モデルごとの仕様や改善方法を事実に基づいて解説します。
AirPodsの通話用マイクの基本仕様
AirPodsシリーズにはすべて通話用の内蔵マイクが搭載されており、モデルによって以下のような構成となっています。
- AirPods(第1~3世代):左右のステム部分にビームフォーミングマイクを搭載
- AirPods Pro:外部と内部に複数マイクを配置、ノイズキャンセリングと音声通話を制御
- AirPods Max:通話専用マイク3基を含む9基のマイクを内蔵
これらのマイクは、通話時に周囲のノイズを除去しながら、ユーザーの声を的確に拾うよう設計されています。しかし、実際の使用環境や設定によって通話品質は大きく変動します。
原因1:マイク設定の問題
AirPodsはデフォルトで「自動マイク切り替え」になっており、左右どちらかのAirPodが適宜選ばれます。しかし、片方のAirPodのマイクが汚れていたり故障していると、通話品質に悪影響を与える可能性があります。
確認と対処法
- iPhoneの「設定」→「Bluetooth」を開く
- 使用中のAirPods横の「i」マークをタップ
- 「マイク」→「常に左を使用」または「常に右を使用」で手動に変更
左右で切り替えてみて、どちらのマイクの方が通話音質が良いか確認すると、問題の切り分けが可能です。
原因2:AirPodsのマイク部分の汚れや詰まり
ステムの先端にあるマイク穴が汚れていると、声を正しく拾えず、相手に届く音声がこもってしまう場合があります。
対処法
- 乾いた綿棒や柔らかいブラシでマイク部分を軽く清掃
- アルコールや液体は使用せず、水分を避ける
- スピーカー穴との間違いに注意して清掃
目に見えない皮脂やホコリの蓄積が原因となっていることも多いため、定期的なメンテナンスが重要です。
原因3:Bluetooth接続の不安定化
AirPodsはBluetooth接続を使用するため、接続が不安定だと音声が途切れたり、相手に届く声が乱れる可能性があります。
改善策
- AirPodsとiPhoneの距離を近づける
- 電子レンジやWi-Fiルーターの近くを避ける
- 一度Bluetoothをオフにして再接続
- AirPodsをケースに入れてリセット操作を行う(背面ボタン長押し15秒)
通信干渉は見えない要因ですが、音質への影響は大きいため、使用環境も重要です。
原因4:周囲の騒音や風の影響
AirPodsはノイズキャンセリング技術を搭載していますが、強風や人混みなどの高周波・不規則な騒音には完全対応できません。
対策方法
- 通話中は風が吹きつけない場所に移動
- 屋内または静かな環境で通話を行う
- 必要に応じて、AirPods ProやMaxのノイズ制御設定を見直す
環境に左右されやすい通話品質を安定させるには、マイクの物理的保護も重要です。
原因5:通話先アプリや回線の問題
音声品質の低下は、AirPods側ではなく通話アプリや通信回線側に原因があることもあります。
確認項目
- 使用している通話アプリ(LINE、Zoom、電話など)を変更して試す
- Wi-Fi回線の混雑やモバイル通信の電波状況を確認
- 相手の受信端末やマイク不調の可能性も考慮
特定のアプリのみで発生する場合、AirPodsではなくアプリ側の設定や不具合が原因の可能性があります。
原因6:AirPodsのファームウェアが古い
AppleはAirPodsの動作改善や不具合修正のため、ファームウェアを随時アップデートしています。通話品質の不具合もアップデートで解消されることがあります。
確認方法
- iPhoneの「設定」→「一般」→「情報」→「AirPods」を開く
- ファームウェアバージョンを確認
- 自動でアップデートされるため、AirPodsを充電ケースに入れてiPhoneと近づけておく
まとめ:AirPodsで声が聞こえにくい原因は多岐にわたる
AirPods使用中に電話相手に声が聞こえにくくなる現象は、以下の要因が複合的に絡んでいることが多いです。
- マイク設定や左右の選択が適切でない
- マイク部分の汚れや物理的な障害
- Bluetooth通信の不安定化
- 環境騒音や風の影響
- アプリやネットワーク側の問題
- ファームウェアの更新不足
順を追って1つずつ原因を切り分けることで、通話品質の改善につながります。特にビジネスや大事な通話にAirPodsを使用する場合は、定期的な清掃や設定確認が重要です。