iPadに搭載されているCPUとは何か
iPadに搭載されているCPU(中央演算処理装置)は、Appleが独自に設計した「Appleシリコン」と呼ばれるSoC(System on a Chip)で、デバイス全体の処理能力を決定づける重要な要素です。CPUはアプリの動作、マルチタスク、ゲーム性能、描画処理、機械学習など、あらゆる処理の基盤となります。
Appleは、iPad向けにAシリーズとMシリーズのプロセッサを展開しており、モデルによって搭載されるCPUが異なります。本記事では、各iPadモデルに採用されているCPUの特徴と処理性能の違いを、事実に基づいて解説します。
iPadに搭載されている主要なCPU一覧
以下は、2025年6月時点で販売または過去に販売されたiPadシリーズと、それぞれに搭載されているCPUの一覧です。
| iPadモデル | CPU(SoC) | 発売年 | 
|---|---|---|
| iPad(第9世代) | A13 Bionic | 2021年 | 
| iPad(第10世代) | A14 Bionic | 2022年 | 
| iPad Air(第4世代) | A14 Bionic | 2020年 | 
| iPad Air(第5世代) | M1 | 2022年 | 
| iPad mini(第6世代) | A15 Bionic | 2021年 | 
| iPad Pro 11インチ(第4世代) | M2 | 2022年 | 
| iPad Pro 12.9インチ(第6世代) | M2 | 2022年 | 
| iPad Pro(2024年モデル) | M4 | 2024年 | 
なお、モデルの世代や筐体は同一でも、搭載されているCPUが異なる場合があるため、購入時は製品仕様を確認することが重要です。
AシリーズとMシリーズの違い
AppleはiPad向けにAシリーズとMシリーズの2種類のプロセッサを展開しています。それぞれの特徴は以下の通りです。
Aシリーズ(A13/A14/A15など)
- iPhoneと共通設計
- モバイル端末向けに省電力化と性能のバランスが重視
- 中程度のグラフィック処理や動画編集に対応
Mシリーズ(M1/M2/M4など)
- Macにも採用される高性能チップ
- 複数の高性能CPUコアと高帯域メモリを統合
- 動画編集、3Dモデリング、AR処理に対応
MシリーズはAppleシリコンとしてMacと共通化されており、iPadでもPCクラスの性能を発揮します。
用途別のCPU選びのポイント
iPadを選ぶ際は、用途に応じたCPU性能を選択することが重要です。以下に目的別の推奨CPU構成を示します。
1. ブラウジング・動画視聴・軽作業
- 対象モデル:iPad(第9世代・第10世代)、iPad mini
- 搭載CPU:A13 / A14 / A15 Bionic
- 理由:低消費電力で日常用途に十分な性能
2. ノートPCの代替・オフィス作業
- 対象モデル:iPad Air(第5世代)
- 搭載CPU:M1
- 理由:マルチタスクやSplit Viewでも快適
3. 画像編集・動画編集・3D作業
- 対象モデル:iPad Pro(M1/M2/M4搭載)
- 搭載CPU:M1 / M2 / M4
- 理由:高負荷のグラフィック処理に対応
ベンチマークスコアの比較(参考値)
以下は代表的なGeekbenchスコアの参考値です(すべてiPad搭載時の実測値ではなく、CPU単体性能の目安)。
| CPU | シングルコア | マルチコア | 
|---|---|---|
| A13 Bionic | 1320 | 3500 | 
| A14 Bionic | 1580 | 4200 | 
| A15 Bionic | 1740 | 4700 | 
| M1 | 1700 | 7400 | 
| M2 | 1900 | 8600 | 
| M4 | 不明(2025年6月時点で公表されていない) | 不明 | 
スコアはモデルや計測条件により差がありますが、Mシリーズは明らかにAシリーズより高性能であることが分かります。
今後のCPU動向(2025年6月時点)
Appleは今後もiPad向けにMシリーズを主軸とした高性能モデルを展開する方針を示しており、特にiPad ProはM4チップに移行しています。一方で、iPad(無印)やiPad miniではAシリーズを継続的に採用しており、低価格帯との住み分けがなされています。
なお、M3はiPadには採用されず、M2からM4へ直接移行しています(2025年時点)。この理由についてはAppleから正式な説明はなく、「不明」とされています。
まとめ
iPadに搭載されているCPUは、モデルによって大きく異なります。Aシリーズはモバイル向けの性能・省電力性を重視したチップで、日常用途に最適です。一方、MシリーズはMacと共通のアーキテクチャを持ち、iPad ProやiPad Airなどで高い処理能力を発揮します。
使用目的や予算に応じて適切なCPUを選択することが、iPadの性能を最大限に引き出す鍵となります。特に動画編集や3D設計などを行う場合は、Mシリーズ搭載のモデルが推奨されます。購入時はモデル名だけでなく、搭載CPUにも注目して検討すると良いでしょう。
 
  
  
  
  


