「ポータブル電源の容量、○○Whって書いてあるけど…これってどれくらい持つの?」
防災対策としてポータブル電源を備える人が増えていますが、意外と見落としがちなのが「容量の見方」です。
数字の大きさだけで判断すると、実際には使いたい家電が動かせないということも。
この記事では、ポータブル電源の容量表記(Wh, mAh, Ah)を正しく読み解く力を身につけるための知識と、防災に活かすためのコツを紹介します。
Wh、mAh、Ahってどう違う?ポータブル電源の容量単位を理解しよう
ポータブル電源やモバイルバッテリーには、以下のような容量表記があります:
- Wh(ワットアワー):実際に使える「エネルギー量」
- mAh(ミリアンペアアワー):主に小型機器(スマホなど)で使われる容量
- Ah(アンペアアワー):バッテリー容量の元になる単位(mAhを1000で割った値)
これらを簡単に言い換えると:
【mAhやAhは“タンクの大きさ”】、【Whは“実際に使えるエネルギーの量”】
つまり、Whで判断するのが最も実用的というわけです。
Whに換算する方法|mAhだけでは実力が見えない
たとえば、バッテリー容量が「50,000mAh」のポータブル電源があったとします。
これをWhに変換するには次の計算式を使います:
mAh × 電圧(V) ÷ 1000 = Wh
電圧が12Vなら:
50,000 × 12 ÷ 1000 = 600Wh
このように、同じmAhでも電圧が違えば実際のエネルギー量も変わるため、「mAhだけ見て容量が大きいと思っていたら、実はそれほどでもなかった…」という落とし穴に注意が必要です。
防災用途で見るべきは「実用容量」と「出力」
防災用としてポータブル電源を備える場合、以下の2点に注目してください:
- ① 実用容量(Wh):何時間、どの家電を使えるかを左右する
- ② 定格出力(W):同時にどれだけの電気製品を動かせるか
たとえば、容量が1,000Whでも、出力が300Wだと電子レンジ(600W)などは使用不可。
逆に、出力が高くても容量が小さければ長時間の使用はできません。
使用例でイメージ|何Whで何がどれだけ動く?
| 使用機器 | 消費電力(W) | 使用時間 | 必要容量(Wh) | 
|---|---|---|---|
| スマホ1回充電 | 5 | 1時間 | 5Wh | 
| LEDランタン | 10 | 8時間 | 80Wh | 
| 電気毛布 | 40 | 6時間 | 240Wh | 
| ノートPC | 60 | 3時間 | 180Wh | 
| 小型冷蔵庫 | 60 | 12時間 | 720Wh | 
このように、目的に応じて必要容量を割り出すことで、「自分にとって適切な容量」が見えてきます。
災害時に最適な容量はどれくらい?
- 300〜500Wh:スマホ・ライト・ラジオ程度の最低限
- 700〜1000Wh:PC、電気毛布、簡易冷蔵庫も可能
- 1500Wh以上:複数人や長期停電に対応
家族の人数や必要な家電に応じて、見方を変えるのが防災力アップのコツです。
【まとめ】数値の「見方」が防災の要になる
ポータブル電源の容量表示を正しく読む力は、防災意識を高めるうえで非常に重要です。
「Whは実際に使えるエネルギー量」「mAhやAhはバッテリーの理論値」と認識して、実生活に当てはめて判断するようにしましょう。
数字に惑わされず、“本当に命を守れる備え”を選べるあなたに。
災害は、いつか必ず「日常」に変わります。
だからこそ、数字を正しく読む力が、防災の「本質」になるのです。
 
  
  
  
  

