はじめに
MacBookに水をこぼしてしまった場合、迅速かつ適切な対応が非常に重要です。水分による故障は放置や誤った処置によって悪化する可能性があり、最悪の場合は本体が完全に使用不能となることもあります。この記事では、MacBookに水をこぼしたときの正しい対処法とやってはいけない行動、修理・復旧に関する事実ベースの情報を解説します。
最初に行うべき対応
水がかかったと判明したら、以下の手順を迅速に行ってください:
- 電源をすぐに切る(強制終了:電源ボタン長押し)
- 電源アダプタや周辺機器をすべて外す
- 本体を逆さにする(キーボードを下にして水を排出)
- 乾燥させる(通気性の良い場所に置く。扇風機などの風も可)
これらは物理的なショートや腐食を防ぐための初期対応です。通電したままでは被害が拡大する恐れがあります。
絶対にやってはいけない行動
以下の行動は、状態を悪化させる原因になります:
- 電源を入れ直す(通電はショートを引き起こす)
- ドライヤーの熱風を直接当てる(高温で内部パーツが破損)
- 振る・叩く(水が他の部位へ拡散)
- ライス(米)に入れる(吸水効果は限定的で、粉が入り込む恐れあり)
乾燥にかかる目安時間
完全に乾燥させるには、最低でも24〜48時間は放置が推奨されます。高湿度な環境下ではさらに時間を要する場合があります。通電前には、必ず内部の乾燥が完了しているかを確認する必要があります。
乾燥後にやるべきこと
完全に乾いたと思われる場合でも、すぐに電源を入れるのではなく、以下のいずれかの対応が望まれます:
- Apple Storeまたは正規サービスプロバイダへ持ち込む
- 信頼できる非正規修理業者で点検を依頼
MacBookは内部構造が非常に精密であるため、見た目に異常がなくても水が基板やコネクタに残っている可能性があります。
水濡れに対する保証の有無
Appleの製品保証(AppleCare+を含む)では、水濡れは原則として保証対象外です。ただし、AppleCare+に加入している場合は、一定の自己負担額で修理が可能なケースがあります。詳細は契約内容により異なるため、「Apple公式サポート」にて確認が必要です。
水濡れで故障する主な部位
MacBookに水が侵入した際、以下の部位が特にダメージを受けやすいとされています:
- ロジックボード(基板)
- キーボード内部
- トラックパッド下の感圧センサー
- バッテリーおよび接続部
これらのパーツは精密で高価なため、被害が大きい場合は本体交換を勧められることもあります。
水の種類による影響の違い
- 純水や蒸留水:導電性が低いため比較的被害は少ない
- 水道水やお茶、コーヒーなど:不純物や糖分により腐食やベタつきが発生
- 海水:塩分による強い腐食作用があるため、最も深刻
こぼした液体の種類に応じて、対処の緊急度や修理の難易度が変わります。
復旧にかかる費用の目安
水濡れによる修理費用は損傷の程度によって異なります:
- 軽度の清掃・点検:1万〜3万円程度(非正規修理の場合)
- キーボード交換:2万〜4万円
- ロジックボード交換:5万〜10万円以上
Apple正規店での修理は本体交換扱いとなるケースが多く、費用は高額になりやすい傾向にあります。
まとめ
MacBookに水をこぼした際は、まず電源を切り、乾燥させ、内部の確認をせずに通電しないことが基本です。誤った対処は被害を拡大させ、修理費用も高額になる可能性があります。適切な対応を早急に行うことで、復旧の可能性を高めることができます。


