はじめに:MacBookの「名前」を変更するとは何を指すのか?
MacBookの「名前を変更したい」と思ったとき、それが何を意味するのかを明確にする必要があります。macOSには「コンピュータ名」「アカウント名(ショートネーム)」「フルネーム」など、複数の「名前」が存在し、それぞれ役割が異なります。本記事では、それらの違いと変更方法、注意点について事実に基づいて解説します。
コンピュータ名の変更方法(AirDropやネットワークで表示される名前)
MacBookがネットワーク上で表示される名称、たとえばAirDropやWi-Fiネットワークに現れる名前は「コンピュータ名」に該当します。
変更手順:
- 「システム設定」を開く
- 「一般」→「共有」を選択
- 「コンピュータ名」の欄に任意の名称を入力
この名前は即時反映され、同一ネットワーク内の他のデバイスにも新しい名前で表示されます。
ユーザーのフルネーム(ログイン時に表示される名前)の変更方法
Macのログイン画面に表示されるユーザー名は「フルネーム」であり、システム管理者が以下の手順で変更可能です。
変更手順:
- 「システム設定」→「ユーザとグループ」を開く
- 左下のカギをクリックし、管理者パスワードを入力
- 対象ユーザーを右クリック(またはcontrol+クリック)して「詳細オプション」を選択
- 「フルネーム」の欄を書き換える
変更後、ログイン画面などに表示される名前が新しいものに変わります。なお、この操作はログインアカウントそのものの変更ではありません。
アカウント名(ショートネーム)の変更方法と注意点
アカウント名とは、ターミナルやユーザーディレクトリ(例:/Users/username)に表示される「ショートネーム」を指します。これはシステムの根幹に関わる情報であるため、変更には特別な手順と慎重さが求められます。
Apple公式が推奨する手順:
- まず別の管理者アカウントを作成
- 変更対象のアカウントからログアウト
- 管理者アカウントでログインし、「/Users」フォルダ内の該当ユーザーフォルダ名を変更
- 「システム設定」→「ユーザとグループ」→対象ユーザーの「詳細オプション」から「アカウント名」と「ホームディレクトリの場所」を一致させて変更
- 再起動後、変更が反映される
誤った手順を実行するとログインできなくなるリスクがあるため、操作前にTime Machineや外部ストレージへのバックアップが強く推奨されます。
ターミナルで確認・変更できる情報
ターミナルを使うことで、現在のユーザー名やホスト名を確認することも可能です。
whoami:現在ログイン中のユーザー名(ショートネーム)を表示scutil --get ComputerName:コンピュータ名を表示sudo scutil --set ComputerName "新しい名前":コンピュータ名を変更
ターミナル操作は管理者権限を要するため、慎重に行う必要があります。
Apple IDの名前変更は別操作
MacBookにサインインしているApple ID(iCloud)のアカウント名や表示名は、macOS上では直接変更できません。Apple IDの管理ページ(https://appleid.apple.com/)にアクセスし、ログイン後に「名前、連絡先、セキュリティ」から変更します。
この名前は、FaceTime、iMessage、iCloud共有などに影響します。
まとめ:MacBookの「名前変更」は種類ごとに手順が異なる
MacBookの「名前」を変更するには、「コンピュータ名」「フルネーム」「アカウント名」「Apple ID名」など、目的に応じた正しい操作が必要です。中でもアカウント名の変更はリスクを伴うため、事前にバックアップを行い、慎重に実施する必要があります。
目的の名称が何を指すのかを明確にした上で、それに応じた適切な方法を選ぶことが、MacBookで安全に名前を変更するためのポイントです。

