はじめに
Apple Watchは日常的に装着するデバイスであるため、汗や皮脂、ほこり、化粧品などが本体やバンドに付着しやすく、衛生面やセンサーの正確性に影響を与える可能性があります。定期的な掃除と適切なメンテナンスを行うことで、Apple Watchの機能を長く維持し、安全に使用することができます。本記事では、Apple公式のガイドラインに基づき、Apple Watch本体・センサー・バンド・デジタルクラウンなどの部位別の掃除方法と注意点を解説します。
掃除の頻度とタイミング
Apple Watchは次のようなタイミングで掃除することが推奨されています。
- 運動後や汗をかいたあと
- 水に濡れたあと（雨、シャワー、洗顔時など）
- 化粧品や日焼け止めが付着したとき
- 皮膚にかゆみやかぶれなどの異常が出たとき
- センサーの反応が鈍くなったとき
特に心拍センサーや皮膚温センサーなど、肌に直接触れる部分は定期的な清掃が重要です。
Apple Watch本体の掃除方法
本体の掃除は、以下の手順で行います。
必要なもの
- 糸くずの出ない柔らかい布（マイクロファイバー推奨）
- きれいな水（温水・石鹸水・洗剤・消毒液は使用不可）
- 綿棒（細かい部分用）
掃除手順
- Apple Watchの電源を切り、充電ケーブルを外す
- 柔らかい布を水で軽く湿らせて、Watch本体の表面を拭く
- デジタルクラウンやボタン周辺は、乾いた綿棒や柔らかい布で拭く
- 必要に応じて、軽く水ですすぐ（Series 2以降の耐水モデルのみ）
- 清掃後は柔らかい乾いた布で水分を完全に拭き取る
Apple公式によれば、アルコールや漂白剤、エアダスターなどの使用は部品劣化の原因となるため、使用してはいけません。
センサー部分の掃除方法
Apple Watchの背面に搭載されている心拍センサー・皮膚温センサーなどは、肌に触れて情報を取得するため、清潔に保つ必要があります。
手順
- 乾いた柔らかい布で軽く拭く
- 頑固な汚れがある場合は、少量の水で湿らせた布でやさしく拭く
- センサー部分に石鹸・ローション・溶剤は使用不可
センサーが汚れていると、心拍数や皮膚温などの測定精度に影響する可能性があります。
デジタルクラウンの掃除方法
デジタルクラウン（本体右側の回転式ボタン）は、皮脂やほこりによって操作が鈍くなることがあります。以下の手順で清掃します。
手順
- Apple Watchの電源を切る
- 蛇口の下に軽くかざし、クラウン周辺を15秒ほど流水で流す（Series 2以降の耐水モデルのみ）
- 回転させながらクラウンの隙間に水を通す
- 清掃後はやわらかい乾いた布で完全に乾かす
水圧が高いシャワーや高温の湯、石鹸水は使用できません。クラウンがスムーズに動くようになるまで、数回繰り返し回転させるのが効果的です。
バンドの掃除方法（素材別）
Apple Watchのバンドは素材によって手入れ方法が異なります。以下はApple公式が案内する各素材の掃除方法です。
フルオロエラストマー（スポーツバンドなど）
- 清潔な水で湿らせた布で拭く
- 必要に応じて低刺激の石鹸を使って洗浄
- 乾いた布で水分を拭き取り、完全に乾燥させる
ナイロン・ブレイデッドソロループ
- 冷水に中性洗剤を混ぜ、手洗いする
- 水道水で丁寧にすすぐ
- 陰干しして自然乾燥させる（直射日光は避ける）
レザーバンド
- 柔らかい乾いた布で軽く拭く
- 水に濡らさない（変形・変色の原因）
- 革専用のクリーナーや保湿剤の使用は推奨されていない
バンドの素材を問わず、完全に乾いた状態で装着することが推奨されています。
防水モデルの扱いについて
Apple Watch Series 2以降は「50メートル防水」に対応していますが、「防水」であって「防塵」ではないため、泥や砂などの微粒子は故障の原因になります。また、以下のような状況では使用が推奨されていません。
- スキューバダイビングや高圧洗浄
- サウナ・温泉・高温多湿の場所
- 石鹸・シャンプー・ローションを含む水との接触
防水機能は経年劣化するため、必要に応じてApple公式サポートで点検を依頼することも検討しましょう。
掃除に関する注意点まとめ
Apple Watchの掃除を行う際は、以下の点に注意してください。
- 強い摩擦や研磨剤の使用は避ける
- 本体にアルコール・溶剤・漂白剤を使用しない
- バンドの素材に適した方法を用いる
- 完全に乾燥してから再装着する
- 掃除の前に電源をオフにする
まとめ
Apple Watchは精密なセンサーと多彩な素材を組み合わせたデバイスであるため、掃除・手入れの方法を正しく理解し、定期的なメンテナンスを行うことが長期的な快適使用につながります。本体・センサー・クラウン・バンドごとの素材や構造に応じた方法で掃除を行い、清潔かつ安全にApple Watchを活用していきましょう。
