はじめに
Apple Watchは日常的に使用するウェアラブルデバイスであるため、汗や皮脂、ホコリなどの汚れが付着しやすく、衛生的な管理が求められます。そこで気になるのが「Apple Watchは水洗いしても良いのか?」という点です。本記事では、Apple Watchの防水性能に基づいた洗浄の可否や、実際に推奨されている清掃方法、モデルごとの対応状況について事実に基づいて解説します。
Apple Watchの防水性能について
Apple Watchはモデルによって防水性能が異なります。Apple公式によると、以下のように分類されています。
- 初代・Series 1:耐水ではあるが防水ではない。水洗いは非推奨。
- Series 2〜Series 6、SE(第1世代):50メートルの耐水性能(ISO 22810:2010に準拠)
- Series 7〜Series 9、SE(第2世代):50メートルの耐水性能に加え、IP6X等級の防塵性能を搭載
- Ultraシリーズ:100メートルの耐水性能とIP6X防塵等級(EN13319にも準拠)
Series 2以降は浅水での活動(スイミング、手洗いなど)に対応しており、水洗い自体は機能的に可能です。ただし、使用方法には一定の制限があります。
Apple公式の洗浄ガイドライン
Appleは公式に「Apple Watchとバンドの清掃方法」を公開しています。以下にその内容を要約します。
Apple Watch本体の清掃方法
- 電源をオフにし、充電器から取り外す
- 清潔で糸くずの出ない柔らかい布で表面を拭く
- 汚れが取れない場合は、ぬるま湯で軽く湿らせた布で拭く
- Series 2以降は、流水(蛇口の水)で軽くすすぐことも可能
- スピーカーやマイクの開口部に直接水を流さない
- 化学薬品や石鹸、洗剤などは使用禁止
バンドの清掃方法
- 素材に応じて手入れ方法が異なる
- フルオロエラストマー製(スポーツバンド)は水洗い可能
- レザーやウーブンナイロン製は水濡れ厳禁
- 金属製バンドは水分による腐食の恐れがあるため水洗い不可
洗っても良い部位と注意点
Apple Watchを水洗いする際には、以下の点に注意する必要があります。
- 対象はSeries 2以降に限定される
- 洗うのは本体の外装部分のみ
- ボタンやデジタルクラウンの隙間からの浸水を防ぐため、短時間で洗う
- 流水は弱めにする(高水圧の水やシャワーは非推奨)
- 洗ったあとは柔らかい布で水気を丁寧に拭き取る
スピーカー部分の水抜きについて
Apple Watch Series 2以降には、スピーカーに入った水を排出するための「水抜き機能(ウォーターイジェクト)」が搭載されています。以下の手順で使用します。
- コントロールセンターから「水滴アイコン(Water Lock)」を選択
- デジタルクラウンを回すとスピーカーから音が鳴り、水分が排出される
水洗い後にスピーカー音がこもる場合は、この機能を使って水分を排出してください。
非対応モデルでの取り扱い
Apple Watch(初代)およびSeries 1は防水仕様ではなく、水洗いは推奨されていません。これらのモデルは濡れた布で拭く程度の手入れにとどめ、誤って水没させた場合は電源を切り、十分に乾燥させてから使用するようAppleも注意喚起しています。
故障・水濡れ時の対応
水洗い後に以下のような症状が出た場合は、Appleサポートへの相談を検討してください。
- 画面が反応しない
- 音が出ない、こもる
- 本体が過熱する
- 再起動を繰り返す
Apple Watchの防水性能は経年劣化する可能性があり、保証対象外となるケースもあるため注意が必要です。
まとめ
Apple Watchはモデルにより水洗い可能かどうかが異なりますが、Series 2以降のモデルであれば、本体をやさしく流水ですすぐことができます。ただし、過度な水圧や洗剤の使用、非対応バンドの水洗いなどには十分注意し、Appleの公式ガイドラインに従ったメンテナンスを行うことが重要です。正しい方法で清潔に保つことで、Apple Watchをより快適に長く使用することができます。


