Qi2とは何か?最新のワイヤレス充電規格の概要
Qi2(チーツー)は、Wireless Power Consortium(WPC)によって策定された次世代のワイヤレス充電規格であり、2023年に正式発表された。従来のQi規格に対し、マグネットアライメントや充電効率の改善、安全性向上を目的とした仕様が追加されている。AppleのMagSafe技術をベースとした「Magnetic Power Profile」が取り入れられており、位置ズレによる充電効率の低下を防ぐことが特徴である。
QiとQi2の違い
Qi2は、従来のQi規格と比較して以下の点が異なる:
- 磁気アライメント: デバイスと充電器の位置ズレを防ぐ磁石配置が標準仕様に追加された
- 充電効率の向上: デバイスと充電器の正確な位置合わせによりエネルギーロスを低減
- 最大15Wの高速充電: Qi2準拠デバイスでは、認証済みの充電器との組み合わせで最大15Wまで対応
- 互換性: Qi2は下位互換があり、従来のQi充電器でも基本的なワイヤレス充電が可能
PixelスマートフォンのQi対応状況
Google Pixelシリーズは、Pixel 3以降でQi規格のワイヤレス充電に対応している。具体的な対応状況は以下の通り:
- Pixel 3 / 3 XL: Qi対応(最大10W)
- Pixel 4 / 4 XL: Qi対応(最大11W)
- Pixel 5: Qi対応(最大12W)
- Pixel 6 / 6 Pro: Qi対応(Pixel Stand v2で最大21W、他社Qiでは最大12W)
- Pixel 7 / 7 Pro: 同様にPixel Stand v2利用で最大23W、一般Qi充電器で最大12W
- Pixel 8 / 8 Pro: Qi対応だが、Qi2への正式対応は現時点で「公表されていない」
これらの端末は従来のQi規格に準拠しているが、Qi2対応については現時点で公式な発表や技術仕様に含まれていない。
Pixel端末のQi2対応状況(2025年7月時点)
2025年7月時点において、Googleから「PixelスマートフォンがQi2に正式対応している」との発表は行われていない。Pixel 8 / 8 Proに関しても、Qi2対応のマグネットアライメントや専用の磁気吸着アクセサリに関する仕様は「不明」または「公表されていない」とされている。
ただし、Pixel 8シリーズではGoogle製の純正充電器「Pixel Stand(第2世代)」との併用で高速ワイヤレス充電が可能であり、この仕様はQi2との将来的な互換性を想定した設計である可能性もあるが、明確な記述は存在しない。
Qi2対応スマートフォンとPixelの今後
現時点でQi2に正式対応しているスマートフォンは、AppleのiPhone 15シリーズなどに限られている。Androidスマートフォンでは、2024年以降にリリースされた一部機種がQi2対応を発表しているが、Google Pixelシリーズについては次世代モデル(Pixel 9など)での対応が期待される状況にある。
Qi2対応端末では、マグネットを用いた正確な位置合わせによって、無駄のない高速充電が可能となるため、ユーザー体験の向上が見込まれている。
Qi2対応充電器とPixelの互換性
Qi2対応の充電器をPixel端末に使用した場合でも、端末側がQi2非対応であれば、従来のQiプロファイルに基づいた充電が行われる。つまり、互換性はあるが、Qi2特有のメリット(磁気アライメント、高速15W充電など)は享受できない。
Pixel 6以降の端末は、専用のPixel Standを使用することで高速ワイヤレス充電が可能であり、この点においてはQi2相当の性能を部分的に実現していると考えられるが、Qi2準拠ではない。
まとめ
Qi2は、従来のQiに比べて高効率かつ安定したワイヤレス充電を可能にする次世代規格である。一方、2025年7月時点において、Google PixelシリーズはQi2には「正式対応していない」または「対応状況が公表されていない」。従来のQi充電器およびPixel Standを使用した高速充電には引き続き対応しているが、Qi2特有の機能(磁気アライメントなど)は利用不可である。今後のPixel新モデルにおけるQi2対応の発表が注目される。