Qi2とは何か?
Qi2(チーツー)は、ワイヤレスパワーコンソーシアム(WPC)が策定した新しいワイヤレス充電の国際標準規格です。従来のQi規格(Qi 1.3)に続く次世代バージョンで、2023年1月に正式発表されました。Qi2は主に以下の特徴を持っています。
- マグネットアライメント方式(Magnetic Power Profile, MPP)による充電位置の自動調整
- 最大15Wの高効率・安定したワイヤレス給電
- 充電の信頼性と安全性の向上(異物検知や温度管理機能の強化)
Qi2はAppleのMagSafe技術をベースにWPCとAppleの協力によって設計されており、マグネットによる位置合わせが標準化されることで、充電速度と効率の向上が期待されています。
GalaxyシリーズにおけるQi2対応状況
2025年7月時点において、Samsung Galaxyスマートフォンで正式にQi2規格に対応しているモデルは「公表されていない」です。現在販売されているGalaxyスマートフォンの大半(例:Galaxy S24、Galaxy Z Fold5、Galaxy Aシリーズなど)は従来のQi規格(Qi 1.2.4〜1.3)に対応していますが、Qi2対応については未発表となっています。
参考:Samsungの公式対応状況
- Galaxy S24 / S24+ / S24 Ultra:Qiワイヤレス充電(最大15W)に対応。Qi2には非対応。
- Galaxy Z Fold5 / Z Flip5:Qi対応(最大15W)、Qi2については公式情報なし。
- Galaxy Buds2 Proなどのワイヤレス充電対応アクセサリ:Qi互換ではあるが、Qi2には未対応。
Qi2対応製品としては、AppleのiPhone 15シリーズがすでに正式対応しており、今後他社Androidメーカーでも採用が進む見込みですが、Samsungは2025年7月時点で対応端末を公表していません。
QiとQi2の主な違い
| 項目 | Qi(従来規格) | Qi2(新規格) |
|---|---|---|
| 最大出力 | 15W(条件付き) | 15W(標準サポート) |
| マグネット対応 | 非対応 | 標準搭載(Magnetic Power Profile) |
| 位置ずれ耐性 | 低い | 高い(自動位置調整) |
| 互換性 | 広い | Qi準拠機器との下位互換あり |
Qi2はマグネットによって送電コイルと受電コイルを正確に位置合わせできるため、位置ずれによる給電効率の低下や発熱のリスクが大幅に軽減されます。
Qi2対応アクセサリとの互換性
Galaxy端末がQi2に非対応であっても、Qi2対応の充電器であれば従来のQi互換モードを通じてワイヤレス充電は可能です。ただし、以下の制限があります。
- Galaxy端末はQi2のマグネット自動調整機能は利用不可
- 最大充電出力は端末側の仕様に依存(15Wまで)
- MagSafe対応ケースを使用しても磁力吸着は限定的
そのため、Qi2の恩恵(位置合わせ、充電速度安定性など)を完全に活用するには、Qi2対応端末が必要となります。
Galaxyの今後のQi2対応の可能性
Samsungはこれまでワイヤレス充電や逆ワイヤレス充電(Wireless PowerShare)などの技術導入に積極的なメーカーであるため、Qi2規格への対応も今後のGalaxyシリーズにおいて検討される可能性は高いと考えられています。ただし、2025年7月時点では、次期フラッグシップモデル(Galaxy S25シリーズなど)にQi2が搭載されるかどうかについては「公表されていない」です。
まとめ:GalaxyユーザーとQi2の現状
Qi2はワイヤレス充電の次世代規格として注目されていますが、Samsung Galaxy端末は2025年現在、正式なQi2対応をしていません。既存のGalaxy機種でもQi2対応充電器を利用することは可能ですが、マグネット吸着や自動位置合わせといったQi2の特長は活かせません。GalaxyユーザーがQi2の機能を本格的に活用できるのは、今後の対応機種登場を待つ必要があります。Qi2対応の動向については、Samsungの公式発表を注視することが重要です。


