はじめに:リカバリーモードとは何か
MacBookに搭載されている「リカバリーモード(macOS Recovery)」は、macOSの再インストールやディスクの修復、Time Machineからの復元など、システムメンテナンスに必要な操作を行うための特別な起動モードです。
通常の起動とは異なり、macOSが壊れて正常に起動できない場合でも、このモードから回復や再構築が可能です。
リカバリーモードの主な用途
MacBookのリカバリーモードでは以下の操作が可能です:
- macOSの再インストール
- ディスクユーティリティによるディスク修復や初期化
- Time Machineバックアップからの復元
- ターミナル操作
- セキュリティポリシーの設定変更(M1/M2チップ以降)
macOSが正常に起動しないときや、新しいOSをクリーンインストールしたい場合などに使用されます。
MacBookでリカバリーモードに入る手順
リカバリーモードに入る方法は、Intel MacとAppleシリコン(M1/M2チップ)搭載モデルで異なります。
Intelプロセッサ搭載のMacBookの場合
- MacBookの電源を完全に切る
- 「Command(⌘) + R」キーを押しながら電源を入れる
- Appleロゴや地球のアイコンが表示されたらキーを離す
Appleシリコン(M1/M2)搭載のMacBookの場合
- MacBookの電源を完全に切る
- 「電源ボタン」を長押しする(10秒程度)
- 「起動オプションが読み込まれました」と表示されたら離す
- 「オプション」→「続ける」をクリック
以上でmacOSユーティリティ画面が表示されれば、リカバリーモードに成功しています。
リカバリーモードが起動しない原因と対処法
リカバリーモードに入れない場合、以下の原因が考えられます:
- キー操作のタイミングが合っていない
- キーボードが認識されていない(特に外付けキーボード使用時)
- 起動ディスクの破損やmacOSのシステム異常
- インターネット接続が不安定で、インターネット復元ができない
対処法
- タイミングを再確認:Macの電源を入れる直前にキーを押し始める
- 別のキーボードを試す:内蔵キーボードが反応しない場合は外部キーボードを使用
- インターネット復元:「Option + Command + R」でインターネット経由でリカバリーモードを起動
- ファームウェアパスワードが原因:設定されているとリカバリーモードに制限がかかる(不明な場合は「公表されていない」)
macOSユーティリティの各機能の概要
リカバリーモードに入ると「macOSユーティリティ」画面が表示され、次の操作が可能になります:
- Time Machineバックアップから復元:過去の状態に戻す
- macOSを再インストール:上書きインストールまたはクリーンインストール
- Safariを使ってAppleサポートにアクセス:リカバリーモード内ブラウザ
- ディスクユーティリティ:パーティション管理やディスクの修復・初期化
これらの操作は、システムトラブルの修復やOSアップデート失敗時に役立ちます。
リカバリーモードでの注意点
- ディスクの初期化やmacOS再インストールを行うと、データが完全に消去される場合がある
- Time Machineバックアップがない場合、データ復元は不可能
- Apple IDと紐づいたアクティベーションロックが有効になっている場合、他人のMacを復元することはできない
- 外部ドライブからの起動は、セキュリティ設定により制限されていることがある(Appleシリコン搭載機)
リカバリーモードを使った初期化の手順
MacBookを譲渡・売却する前に、以下の手順で初期化を行うことが一般的です:
- リカバリーモードに入る
- 「ディスクユーティリティ」で内蔵ディスク(通常は「Macintosh HD」)を消去
- 「macOSを再インストール」を選択してインストール
- 初期設定画面まで進めたら、電源を切って完了
Apple IDからサインアウト(「システム設定」→「Apple ID」→「サインアウト」)することも忘れないようにしましょう。
まとめ
MacBookのリカバリーモードは、システムトラブルの復旧やクリーンインストール、初期化など、macOSを安全に保つために欠かせない機能です。IntelとAppleシリコンで操作方法が異なるため、自身のMacBookの仕様を確認して正しい手順で利用することが重要です。
リカバリーモードが起動しない場合も、インターネット復元や別の操作手段を活用し、冷静に対処することが求められます。