はじめに
MacBookを使って画面録画と音声を同時に収録したい場面は多くあります。プレゼン資料の解説や動画チュートリアル、ゲーム実況などにおいて、映像と音声の同期は不可欠です。macOSには標準でQuickTime Playerが搭載されており、簡易的な録画が可能です。ただし、内部音声の録音には追加の設定が必要なケースがあります。
macOS標準の録画機能
QuickTime Playerの録画方法
- LaunchpadまたはFinderから「QuickTime Player」を起動
- 「ファイル」メニュー →「新規画面収録」を選択
- 表示された録画パネルで、音声入力を「マイク」から選択
- 録画範囲を選択し、「録画」ボタンを押して開始
この手順ではマイク音声(外部音声)は録音されますが、YouTubeやアプリの内部音声は録音されません。
内部音声を録音するには
macOSではセキュリティの観点から、QuickTimeなどの標準ツールで内部音声(システム音)を直接録音することはできません。これを可能にするには、ループバックドライバの導入が必要です。
代表的なループバックツール
- BlackHole(無料、オープンソース)
- Loopback(有料、GUIあり)
BlackHoleの導入手順
- 公式サイトからBlackHoleをインストール
- 「Audio MIDI設定」で新しいマルチ出力デバイスを作成(例:BlackHole + 内蔵出力)
- 「システム環境設定」→「サウンド」で出力をマルチ出力デバイスに切り替え
- QuickTimeの音声入力を「BlackHole」に設定
- QuickTimeで録画を開始
Loopbackを使った録音手順
- Rogue Amoeba公式サイトからLoopbackをインストール
- アプリ上で「System Audio」を仮想マイクに接続
- QuickTimeの音声入力をLoopbackの仮想マイクに設定
- 必要に応じて外部マイクもミックス可能
スクリーンショットユーティリティを使う方法
macOS Mojave以降では「Shift + Command + 5」で起動するスクリーンショットユーティリティに録画機能が統合されています。
- キーボードで「Shift + Command + 5」を押下
- 録画アイコンを選び、「オプション」でマイク(またはLoopback)を選択
- 録画を開始
この方法でも内部音声を録音するには、やはりBlackHoleやLoopbackの導入が必要です。
録音される音声の種類と注意点
- マイク入力:外部音声(自分の声など)
- システム音:YouTubeやアプリの再生音など(標準機能では不可)
- 両方同時に録音:Loopbackでルーティングすることで対応可能
著作権が関係する音声(音楽や動画の音声など)を録音する場合は、利用目的や公開範囲に注意が必要です。
Audacityとの併用
QuickTimeは映像と音声の録画には便利ですが、音質調整や波形編集はできません。音声の編集が必要な場合は、Audacityなどの録音専用ソフトと併用すると効果的です。録音デバイスにBlackHoleを指定することで、内部音声の録音・編集が可能です。
まとめ
MacBookで画面録画と音声を同時に行うには、QuickTime Playerやスクリーンショットユーティリティを使った基本的な録画に加え、BlackHoleやLoopbackなどの仮想オーディオデバイスを使って内部音声を取り込む必要があります。設定や操作手順を把握することで、高品質な画面と音声の収録が可能になります。


