MacBookをモバイルバッテリーで充電するニーズの増加
外出先でMacBookを長時間使用する際、電源コンセントが使えない環境においてモバイルバッテリーによる給電は非常に有効です。特にテレワークや出張が増える中で、MacBookをモバイルバッテリーで効率的に充電したいという需要が高まっています。
ただし、MacBookは一般的なスマートフォンと異なり消費電力が大きく、対応する出力や充電規格、ケーブルなどにも注意が必要です。本記事では、MacBookに使用できるモバイルバッテリーの要件と選び方、注意点について解説します。
MacBook充電に必要なモバイルバッテリーの条件
MacBookをモバイルバッテリーで充電するには、以下の要件を満たす必要があります。
- USB Power Delivery(USB PD)対応: MacBookはUSB PD規格による高出力充電に対応しています。
- 出力ワット数: 最低でも30W以上、モデルにより60W〜100Wの出力が必要です。
- USB-Cポート搭載: MacBookはUSB-CまたはThunderboltポートを介して充電します。
上記を満たさないモバイルバッテリーでは、充電できなかったり、非常に遅い充電速度となります。
モデル別の推奨出力
| MacBookモデル | 推奨出力 |
|---|---|
| MacBook Air(M1/M2/M3) | 30W〜35W |
| MacBook Pro 13インチ(M1/M2/M3) | 30W〜60W |
| MacBook Pro 14インチ(M1 Pro/M2 Pro/M3 Pro) | 67W〜96W |
| MacBook Pro 16インチ(M1 Max以降) | 96W〜140W |
一部の高出力モデルでは、急速充電のために100Wを超える出力を必要としますが、モバイルバッテリーで最大出力100Wまで対応する製品も存在します。
バッテリー容量の目安
MacBookは容量が大きいため、スマートフォン用の小型バッテリーでは十分な充電ができません。以下に代表的な容量と対応状況を示します。
- 10,000mAh: MacBook Airを1回弱充電可能
- 20,000mAh: MacBook Airを1〜1.5回、Proを1回程度充電可能
- 26,800mAh(最大容量クラス): Proモデルにも対応、航空機持ち込み可能な上限値
モバイルバッテリーは100Wh(ワット時)以下であれば、航空機への持ち込みが認められており、26,800mAh / 3.7V = 約99Whが上限に近い容量となります。
推奨される代表的なモバイルバッテリーメーカー
以下のメーカーから、MacBookに対応する高出力・高容量のモバイルバッテリーが販売されています。
- Anker(PowerCore III Elite / 737 Power Bankなど)
- Zendure(SuperTank Proなど)
- RAVPower(RP-PB232など)
- OmniCharge(Omni 20+など)
これらはすべてUSB PD 60W〜100W対応モデルをラインナップしており、USB-Cケーブルと合わせて使用することでMacBookを安全に充電できます。
使用時の注意点
- ケーブルの規格確認: USB PDで100W給電するには、eMarker付きのUSB-Cケーブルが必要
- バッテリーの発熱に注意: 高出力給電中は本体が発熱するため、換気の良い場所で使用
- バッテリー残量の管理: モバイルバッテリー側にも残量表示がある製品が望ましい
- 純正充電器の代用にはならない: 長時間の高負荷作業では、バッテリーでは給電が追いつかない場合がある
持ち運び・機内持ち込みの規制
国際的な規制により、モバイルバッテリーの機内持ち込みは「100Wh未満」の製品に限られています。これは26,800mAh(3.7V)に相当し、100Whを超えるバッテリーは原則として持ち込み不可です。
また、預け入れ荷物にはモバイルバッテリーを入れることができないため、必ず機内持ち込みにする必要があります。
まとめ
MacBookをモバイルバッテリーで充電するには、USB PD対応かつ30W〜100W以上の高出力に対応した製品を選ぶ必要があります。モデルによって推奨出力が異なるため、自身のMacBookに適した出力と容量を持つバッテリーを選定し、安全に運用することが重要です。また、ケーブルの規格や発熱、航空機への持ち込み可否など、実際の使用環境も考慮したうえで選ぶことが求められます。
