はじめに|MacBookをディスプレイとして使いたい理由とは
所有しているMacBookの高品質なRetinaディスプレイを、他のPCやMacの外部モニターとして活用したいと考えるユーザーは多く存在します。特にノート型MacBookはモビリティが高く、使用していない時間にセカンドモニターとして利用できれば、機材の有効活用になります。本記事では、MacBookをディスプレイとして使うことが可能かどうか、公式の対応状況や代替手段について事実に基づいて解説します。
MacBookを物理的に外部ディスプレイとして使うことは可能か
結論から述べると、AppleはMacBookを他のデバイスの外部ディスプレイとして使用することを公式にはサポートしていません。MacBookには「HDMI入力」や「DisplayPort入力」などの外部映像入力端子が存在せず、ThunderboltやUSB-Cなどはすべて出力専用ポートです。
公式に対応していない理由
- ハードウェア上、映像入力用のチップセットが搭載されていない
- macOSは他デバイスからの映像信号を受け入れる機能を備えていない
- AirPlayやSidecarなどはMacが「出力元」として機能する
Appleの「ターゲットディスプレイモード」はMacBook非対応
かつてiMacでは「ターゲットディスプレイモード」という機能により、iMacを他のMacのディスプレイとして使うことが可能でした(Thunderbolt/Mini DisplayPort経由)。しかし、以下の通りMacBookはこの機能に対応していません。
対応機種
- 2014年以前の一部のiMac
非対応機種
- すべてのMacBook(Air/Pro)
- 2021年以降のiMac
MacBookをディスプレイとして使う代替手段
物理的な映像入力は不可能でも、ネットワーク経由でMacBookに他のデバイスの画面を映す方法は存在します。以下は実際に利用されている代表的な方法です。
1. Luna Display(ハードウェア+ソフトウェア)
- Astropad社が提供するUSB/HDMI/DisplayPortドングルをMacBookに装着
- ドングル経由で他のMacやWindows PCから映像を送信
- macOSアプリ「Luna Display」インストールが必要
- ネットワークまたはUSB-C接続で動作
2. Duet Display(ソフトウェア)
- MacBookと別のデバイスをUSBケーブルまたはWi-Fiで接続
- Duetアプリを双方にインストール
- iPadや別のMacをセカンドディスプレイ化できる
- Windows→MacBookの画面拡張は有料版「Duet Air」が必要
3. VNC(仮想ネットワークコンピューティング)
- 他のPCの画面をMacBook上に表示する「リモートデスクトップ」型の方法
- 画面共有で仮想的に外部ディスプレイ化
- VNC Viewer(MacBook)とVNC Server(出力元PC)を用意
- 反応速度や解像度に制限あり
MacBookを使う側の注意点
- いずれの方法も「外部ディスプレイの代用」であり、映像信号を直接受信するものではない
- 高解像度・高リフレッシュレート用途には不向き
- 有料アプリやデバイスを必要とするケースが多い
- Wi-Fi環境の影響を受けるため、有線接続のほうが安定
MacBookを使うなら、出力元とOSの互換性を確認
Duet DisplayやLuna DisplayはmacOSやWindowsに対応していますが、対応OSやバージョンに制限があります。例えば:
- Duet Display:macOS 10.14以降、Windows 10以降
- Luna Display:macOS 10.11以降、Windows 10以降
それぞれの製品公式サイトで最新の対応状況を確認する必要があります。
まとめ|MacBookを物理的な外部モニターとしては使えないが代替策はある
MacBookを他のデバイスのディスプレイとして直接使うことは、ハードウェア仕様上不可能です。しかし、Luna DisplayやDuet Displayのようなソフトウェア・ハードウェア連携ソリューションを用いることで、MacBookの画面をネットワーク経由でセカンドディスプレイ化することは可能です。用途や操作環境に応じて、適切なツールを選ぶことで、MacBookを有効活用することができます。
 
  
  
  
  


