AirPodsは分解できるのか?結論から解説
AppleのAirPodsシリーズは、完全ワイヤレスイヤホンとして非常に高い密閉性と小型精密設計を誇る製品です。結論として、AirPodsはユーザーによる分解を前提として設計されておらず、一般的な工具での開封や分解は非常に困難です。分解を試みることは、製品の破損・保証の無効化・火災等のリスクを伴うため推奨されません。
AirPodsの構造と分解困難な理由
AirPods(第2世代以降)やAirPods Pro、AirPods Maxには以下のような特徴があります:
- 超音波溶着や強力な接着剤で密閉されている
- 本体内部にリチウムイオン電池を搭載(極小サイズ)
- 部品の配置が複雑かつ非常に小型で、損傷しやすい
- 専用工具なしでは分解不可に近い
これらの理由から、AirPodsを物理的に分解するには製品を破壊する覚悟が必要であり、内部パーツの交換や修理は事実上困難です。
iFixitによる分解レポートの結果
分解レポートで知られる米iFixitは、AirPods(第2世代)およびAirPods Proに対して分解評価スコア「0/10(修理不可能)」を付けています。主な理由は以下の通りです:
- 接着剤により開封が困難
- バッテリーがはんだ付けされており交換不可
- 再組み立てができない構造である
AirPods Maxについても特殊ネジや内部の構造が非常に複雑で、一般的なDIY修理には適しません。
分解によって失われる保証とリスク
AirPodsを分解した場合、Apple公式のサポートや保証は一切適用されなくなります。また、以下のようなリスクも存在します:
- リチウムイオン電池の発火・爆発
- 部品の破損による完全故障
- イヤホンの音質や接続機能の消失
さらに、分解跡が残った製品はAppleでの下取りや交換サービスの対象外となる可能性が高いため、注意が必要です。
分解を試みたくなる主な理由と代替手段
AirPodsの分解を検討するユーザーの多くは、以下の理由によって行動を起こします:
- バッテリーの劣化(再生時間が短くなる)
- 片耳が聞こえない、充電できないといった不具合
- 水没や汚れによる内部トラブル
しかし、これらはAppleの「バッテリーサービス」「交換対応」により、一定料金で正規に対応可能です。
Appleによる正規サービスの一例(2025年6月時点):
- AirPods片耳の交換:10,800円
- AirPods Pro片耳の交換:13,800円
- バッテリーサービス(劣化対応):7,500円
- ケース交換(モデルにより異なる):10,800円〜
AppleCare+加入中であれば、過失損傷も3,700円で交換可能(年2回まで)です。
AirPods Maxの分解性は多少高いが注意が必要
AirPods Maxは他のAirPodsよりも分解しやすい設計(スピーカー部のネジなど)を一部採用していますが、こちらも高度な技術と専用工具を必要とします。内部構造には特殊なドライバ、はんだ除去装置などが必要で、個人でのメンテナンスは現実的ではありません。
また、AirPods Maxにもリチウム電池が内蔵されており、安全性確保のためにも分解は避けるべきです。
分解した場合の廃棄と処分について
AirPodsを分解・破損した場合は、一般の不燃ごみとして処分するのではなく、以下のような適切な処分方法が必要です:
- Apple公式のリサイクルプログラムを利用
- 家電量販店の回収ボックスに投函(小型充電式電池対応)
- 自治体の指定回収に従う
特にリチウムイオン電池が含まれているため、自治体の指示に従わない処分は法律違反や火災の原因になる恐れがあります。
まとめ:AirPodsの分解は非推奨、安全な対応を
AirPodsの分解は技術的にも難易度が高く、内部構造や安全性を損なうリスクが大きいため、一般ユーザーによる分解は推奨されていません。バッテリー交換や故障時は、Appleの正規サービスを利用することで、確実かつ安全に対応可能です。
見た目はシンプルなAirPodsですが、その内部は高度に設計された精密機器であり、正しい手段によってのみ対応すべき製品です。

