はじめに
Apple Watchには、Series 8以降のモデルから「体温測定」機能が搭載されました。この機能は、健康管理や月経周期の予測に役立つ情報として注目されています。本記事では、Apple Watchの体温測定機能の概要、対応モデル、測定方法、利用上の注意点、データの確認方法まで、事実に基づいて詳しく解説します。
Apple Watchの体温測定機能とは?
Apple Watch Series 8およびApple Watch Ultra以降のモデルには、皮膚温センサーが搭載されており、手首に装着している間に体温の傾向を継続的に記録することができます。正確には「手首の皮膚温」の変動を計測しており、絶対的な体温を表示するものではありません。
対応モデル
体温測定機能が搭載されているApple Watchは以下の通りです(2024年6月時点)。
- Apple Watch Series 8
- Apple Watch Ultra
- Apple Watch Series 9
- Apple Watch Ultra 2
それ以前のモデル(Series 7以前、SEなど)には体温測定機能は搭載されていません。
体温測定の仕組み
Apple Watchは、皮膚温センサーを活用して、夜間の就寝中に5秒間隔で手首の温度を計測します。そのデータをもとに、ベースライン(基準値)との差異を表示します。これにより、以下のような変化を確認できます。
- 体調の変化(発熱など)
- 睡眠中の皮膚温の推移
- 月経周期の変化(女性向けの周期予測)
体温測定の前提条件
体温データを取得するには、以下の条件を満たしている必要があります。
- 対応モデルを使用している
- Apple Watchが手首に正しく装着されている
- 「睡眠」フォーカスが就寝時にオンになっている
- Apple Watchが就寝中に最低4時間以上装着されている
- iPhoneと同期されている
体温データの確認方法
Apple Watch単体では体温データを確認できません。以下の手順でiPhoneから確認します。
確認手順(iPhone)
- 「ヘルスケア」アプリを起動
- 「ブラウズ」タブを開く
- 「体温」→「手首の皮膚温度」を選択
- グラフで日・週・月ごとの変動を確認可能
表示されるのは「差分」(基準体温からの変化)であり、絶対的な数値(例:36.5℃など)は表示されません。
月経周期予測への活用
Apple Watchの体温測定は、ヘルスケアアプリと連携することで月経予測にも活用されます。体温の変化から排卵の可能性を推定し、過去のデータに基づく予測精度の向上が期待できます。
ただし、これは医療機器としての認証を受けたものではなく、診断や避妊目的での利用は推奨されていません(Appleによる公式説明あり)。
体温測定機能の精度と限界
Apple Watchの体温測定は医療用体温計と同等の精度はありません。あくまでも「傾向の把握」が目的であり、以下の点に留意する必要があります。
- 外気温や寝具の影響を受けやすい
- 運動直後や入浴直後は測定に適さない
- 誤差のある日でも、長期的傾向から異常を察知できる可能性がある
体温データの非表示・削除方法
不要な体温データは以下の手順で非表示または削除できます。
非表示にする方法
- 「ヘルスケア」アプリを開く
- 「手首の皮膚温度」→「データソースとアクセス」
- Apple Watchを無効にする
データを削除する方法
- 「手首の皮膚温度」→「すべてのデータを表示」
- 該当日付を選択し、「データを削除」
活用時の注意点
- バッテリー残量が極端に少ないと記録されないことがある
- Apple Watchをきつく締めすぎると血流に影響する可能性がある
- watchOSおよびiOSが最新版であることを推奨
まとめ
Apple Watchの体温測定機能は、日々の体調変化を傾向として把握するうえで非常に有用な機能です。医療用体温計の代替ではないものの、睡眠中に自動で記録されるという特性から、特に長期的な健康管理や月経予測に活用できます。正しい装着と設定、測定環境を整えたうえで、ヘルスケアアプリを通じて変化を観察することで、より深い自己管理が可能となるでしょう。
