ステージマネージャとは?
ステージマネージャ(Stage Manager)は、AppleがiPadOS 16から導入した新しいマルチタスク機能です。ウィンドウを重ねて配置したり、アプリをグループ化して切り替えることができる機能で、従来のスプリットビューやスライドオーバーよりも柔軟な操作性を提供します。
この機能は、Macの操作性に近づけることを目的としており、iPadの生産性向上を意図して設計されています。特に外部ディスプレイへの接続時に真価を発揮し、複数アプリをフルサイズで同時に表示・操作することが可能です。
ステージマネージャの対応機種
ステージマネージャはすべてのiPadで利用できるわけではありません。Appleが公式に発表している対応機種は以下のとおりです(2025年6月時点の情報)。
- iPad Pro 12.9インチ(第3世代以降)
- iPad Pro 11インチ(第1世代以降)
- iPad Air(第5世代)
また、外部ディスプレイに拡張表示できるのはM1チップ以降を搭載したモデルに限られています。M1チップを搭載していない機種では、ステージマネージャの一部機能(外部ディスプレイ接続など)が制限されるか利用できません。
ステージマネージャの有効化手順
iPadでステージマネージャを利用するには、iPadOS 16以降がインストールされていることが前提条件です。有効化の手順は以下の通りです。
- 「設定」アプリを開く
- 「ホーム画面とマルチタスク」を選択
- 「ステージマネージャ」をタップ
- 「アプリを重ねて表示」「最近使ったAppを表示」などを必要に応じてオンにする
コントロールセンターからもステージマネージャのオン/オフが可能です。歯車のようなアイコンをタップして切り替えできます。
基本的な使い方
ステージマネージャをオンにすると、現在アクティブなアプリが中央に大きく表示され、左側に他のアプリウィンドウがサムネイルで表示されます。以下の操作が可能です:
- ウィンドウをドラッグして自由にサイズ変更
- 最大4つまでのアプリを同時に表示
- アプリをグループ化して切り替え
- 外部ディスプレイにアプリをドラッグして表示(M1以降のiPad)
これにより、複数のアプリを使った作業が格段に効率化されます。例えば、ブラウザとメモ、ファイルアプリとメールを同時に開いて作業することが可能になります。
ステージマネージャのメリットと制限
メリット
- ウィンドウの自由な配置が可能
- 複数アプリのグループ化と切り替えがスムーズ
- 外部ディスプレイでの拡張操作ができる(対応機種)
制限事項
- 対応していないiPadでは利用不可
- アプリによってはステージマネージャ非対応
- 画面サイズが小さいiPadでは操作性に限界がある
ステージマネージャは、iPadをPCライクに使いたいユーザーにとって有用な機能ですが、操作に慣れるまでやや時間がかかる可能性もあります。
外部ディスプレイとの連携
M1チップ以降のiPadでは、USB-C経由で外部ディスプレイに接続し、ステージマネージャによる拡張表示が可能です。以下の条件を満たす必要があります:
- iPadOS 16.2以降
- USB-C DisplayPortまたはThunderbolt対応モニター
- M1チップ以上のiPad(例:iPad Pro 2021年モデル以降)
外部ディスプレイに最大6つのアプリウィンドウを表示し、iPad本体とは別画面として利用できます。デスクトップ作業に近い感覚で使えるため、クリエイティブ作業やリモートワークにも向いています。
ステージマネージャと従来のマルチタスクの違い
| 機能 | ステージマネージャ | 従来のマルチタスク |
|---|---|---|
| ウィンドウの自由配置 | 可能 | 不可(固定レイアウト) |
| 複数アプリの同時表示 | 最大4つ | 2つまで |
| 外部ディスプレイ拡張 | 対応(M1以降) | ミラーリングのみ |
| アプリグループ保存 | 可能 | 不可 |
このように、ステージマネージャは従来のマルチタスク機能と比べて多くの点で進化しており、より柔軟で高度な作業環境を実現しています。
まとめ
ステージマネージャは、iPadのマルチタスク機能を大幅に拡張する新機能です。対応するiPadを所有している場合は、積極的に活用することで、仕事や創作活動の効率を大きく向上させることができます。
ただし、操作には一定の慣れが必要であり、すべてのアプリやiPadが対応しているわけではない点にも注意が必要です。今後のアップデートにより、さらなる機能拡張や対応アプリの増加が期待されます。


