Galaxyセキュリティフォルダとは
Galaxyスマートフォンに搭載されている「セキュリティフォルダ(Secure Folder)」は、Samsung独自のセキュリティ基盤「Knox」により保護された仮想領域で、通常のデータ領域とは完全に分離された構造を持ちます。ここに保存されたアプリやファイルは、指紋認証やPINなどの追加認証が必要となり、高度なプライバシー保護が可能です。
セキュリティフォルダのデータ移行は可能か?
Galaxy端末間でのデータ移行において、通常の写真や連絡先などは「Smart Switch」アプリを使って比較的容易に移行できますが、セキュリティフォルダに関してはその性質上、通常の方法では直接移行できないという制限があります。
セキュリティフォルダは端末ごとに固有のKnox環境内で暗号化されているため、別の端末への直接的なコピーや復元はサポートされていません。
セキュリティフォルダのデータを移行する方法
Galaxyのセキュリティフォルダ内のデータを新しい端末に移行するには、一度通常領域へエクスポートしてから再インポートする方法が推奨されます。ただしこの方法は手動かつ一時的に保護外となるため、慎重な取り扱いが求められます。
移行手順の概要
- セキュリティフォルダ内のデータを本体ストレージ(通常領域)にエクスポート
- Smart Switchを使用して新端末にデータを転送
- 新端末側のセキュリティフォルダにインポートし直す
手順詳細(例:画像・ドキュメントの移行)
- セキュリティフォルダを開き、「マイファイル」アプリを起動
- 該当ファイルを長押しして選択し、「他に移動」>「本体ストレージ」を選択
- フォルダ外に移動した後、ホーム画面に戻ってSmart Switchを起動
- 新端末と接続してデータを転送
- 転送後、新端末側のセキュリティフォルダに再度ファイルをインポート
※この手順でアプリデータ(例:LINEの履歴など)や一部の設定は移行されないため、必要に応じてアプリ内のバックアップ機能を併用してください。
セキュリティフォルダのアプリ移行について
セキュリティフォルダ内のアプリも、上記と同様に通常領域で再インストール後に再登録する必要があります。
- Google PlayストアまたはGalaxy Storeからアプリを再インストール
- セキュリティフォルダを開き、「+(追加)」アイコンからアプリを追加
- 必要に応じてアプリ内データのクラウド復元を実施
一部のアプリ(銀行系・セキュリティ制限のあるアプリ)はセキュリティフォルダ内で動作しない場合があります。互換性はアプリ提供元の仕様に従ってください。
Smart Switchではセキュリティフォルダを移行できない理由
Samsung Smart Switchは、以下の理由によりセキュリティフォルダ内のデータを直接転送することができません。
- Knox環境下にあるため、外部アプリからアクセス不可
- 暗号化キーが端末固有であり、他端末に転送しても復号不可
- ユーザー保護の観点から、Samsungがセキュリティ方針として移行対象外に設定
そのため、セキュリティフォルダの利用は「端末ごとに新規設定を行う」のが基本的な運用とされています。
バックアップ代替案:クラウドサービスの活用
重要なドキュメントや写真を移行したい場合は、Samsung CloudやGoogle Drive、OneDriveなどのクラウドサービスを活用する方法もあります。
- セキュリティフォルダ内からクラウドアプリにログイン
- ファイルをアップロード(クラウド経由での暗号化転送)
- 新端末で同じクラウドにログインし、ダウンロード
ただし、クラウド上でもデータが一時的に保護外になるため、必ず信頼性の高いサービスを利用し、アップロード後はフォルダへの再インポートを推奨します。
セキュリティ上の注意点
- 移行中の一時ファイルは早めに削除する
- 公衆Wi-Fiではクラウド転送を避け、モバイル回線やVPNを利用
- PIN・指紋などのセキュリティ設定を再構成する
- 端末紛失時に備えて「Find My Mobile」を有効にする
まとめ
Galaxyのセキュリティフォルダ内データは高い保護性能を備える反面、通常のバックアップ手段では移行が制限されます。移行には一時的に保護外へ出してから手動で転送・再登録する方法が必要です。セキュリティ上のリスクを最小限に抑えるには、クラウドサービスやUSB経由の移行時に暗号化を併用するなど、慎重な対処が求められます。新端末への引き継ぎ時は、事前に手順と必要な操作を確認し、安全かつ確実に移行作業を進めてください。