はじめに:Apple Watch Ultra 2とはどんなモデルか
Apple Watch Ultra 2は、Appleが2023年に発表したApple Watch Ultraシリーズの第2世代モデルです。前モデルである初代Apple Watch Ultra(2022年発売)と比べてどのような違いがあるのか、機能や仕様の進化点を事実に基づいて整理します。
本記事では、Apple Watch UltraとUltra 2の主な違い、共通点、進化の背景を包括的に解説します。
Apple Watch Ultra 2と初代Ultraの基本仕様比較
まず、Apple Watch UltraとUltra 2の仕様を以下に比較します(2025年6月時点の公式情報に基づく)。
項目 | Ultra(初代) | Ultra 2 |
---|---|---|
発売日 | 2022年9月23日 | 2023年9月22日 |
チップ | S8 SiP | S9 SiP |
ディスプレイ輝度 | 最大2000ニト | 最大3000ニト |
ストレージ容量 | 32GB | 64GB |
バッテリー持続 | 最大36時間 | 最大36時間(同等) |
OS初期バージョン | watchOS 9 | watchOS 10 |
材質・サイズ | チタニウム(49mm) | チタニウム(49mm) |
耐水・耐衝撃 | 100m耐水、MIL-STD準拠 | 同左 |
上記のように、Ultra 2ではチップとディスプレイ、ストレージ容量に進化があります。
最も大きな違い:S9 SiPの性能向上
Apple Watch Ultra 2最大の進化点は、S9チップの搭載です。これはApple独自設計のSystem in Packageで、前モデルのS8と比べて以下の点で性能が向上しています。
- 30%高速化されたCPU
- 新しい4コアNeural Engineにより機械学習性能が2倍
- オンデバイスSiriに対応(音声処理がクラウド不要に)
- 低電力モード時でも一部機能が有効
これにより、反応速度やアプリの起動、Siriの音声操作がより快適になりました。
新搭載の「ダブルタップ」操作
Ultra 2では、新たに「ダブルタップ」操作に対応しています。これは、親指と人差し指を2回トントンと合わせることで、以下の操作ができる機能です。
- 電話の応答・終了
- 通知の確認・スクロール
- ミュージック再生/停止
- タイマーの一時停止・再開
この機能はS9チップの高度なモーションセンサーと機械学習により実現されており、初代Ultraでは対応していません。
ディスプレイの明るさが進化
Ultra 2ではディスプレイ輝度が3000ニトにまで向上しており、これはApple Watch史上最も明るいディスプレイとなっています。
この明るさは直射日光下での視認性を向上させ、特に登山や海上活動など明るい屋外環境での使用に適しています。初代Ultra(2000ニト)より50%明るくなっています。
内部ストレージ容量の増加
Apple Watch Ultra 2は、ストレージ容量が32GBから64GBへ倍増しています。これにより、音楽・ポッドキャスト・アプリの保存容量が拡大し、iPhoneを持ち歩かないシーンでもより多くのデータを活用できます。
外観・サイズ・バッテリーは共通
UltraとUltra 2の外観やサイズに違いはありません。いずれも49mmのチタニウムケースで、MIL-STD-810H、EN13319に準拠した耐久性能、水深100m対応のダイビング仕様も共通です。
また、バッテリー持続時間も同様で、最大36時間(低電力モードで最大72時間)となっています。
このため、外観や重量感、着け心地については両モデルで差はありません。
互換性とバンドの利用
Ultra 2は、初代Ultraと同じバンドサイズ(49mm)を採用しており、アルパインループ、トレイルループ、オーシャンバンドなどすべての純正バンドと互換性があります。
また、watchOSのアップデートによって、旧モデルでも新しいバンドデザインに対応できます。
価格の違いは?
発売当初の定価(税込)は以下の通りです(バンドにより若干異なります)。
- Apple Watch Ultra(初代):124,800円(2022年)
- Apple Watch Ultra 2:148,800円(2023年)
Ultra 2の方が2万円以上高価ですが、チップ性能・Siri・ディスプレイ・ジェスチャー操作などの追加機能を考慮すると、スペックに見合った価格設定となっています。
まとめ:Apple Watch Ultra 2の違いと選び方
Apple Watch Ultra 2は、初代Ultraと比べて見た目はほぼ同じながら、内部性能が大幅に進化しています。特にS9チップによる処理性能、ダブルタップ操作、3000ニトのディスプレイ輝度、64GBのストレージといったポイントが主な違いです。
一方、外観やバッテリー、耐久性能は初代と共通しており、外での使用感に大きな違いはありません。
コストを抑えたい場合は初代Ultraも依然として魅力的ですが、より最新の操作性や高速性を求める場合はUltra 2が有力な選択肢となります。